“みだら”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
59.3%
11.1%
7.4%
淫蕩7.4%
淫哇3.7%
放埓3.7%
淫猥3.7%
猥褻3.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「わが身はこの雷横の母じゃ。生れ損いを産んだ母じゃ。けれどな女子おなご、わしはまだそなたのようなみだら売女ばいた風情を子にもったことはないぞえ」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「いえませんわよ、そんな恥かしいこと。ごらんなさいな、わたしのこの髪を。ちょうど、あんたが帰ってきたんで、みだらな真似もされずにすんだからいいけれど」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「邪神は年経としへたるおろちなり、かれがさがみだらなる物にて、牛とつるみてはりんを生み、馬とあいては竜馬りゅうめを生むといえり、このまどわせつるも、はた、そこの秀麗かおよきたわけたると見えたり」と云っていましめた。
蛇性の婬 :雷峰怪蹟 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
種々な大人の淫蕩みだらを見たり聞いたりしながら、しかも少年らしい多くの誘惑から自分を護り得たといふのも、一つは斯の臆病からだと自分で思ひ當ることが有ります。
先自侮而後人侮まずみずからあなどるしこうしてのちひとこれをあなどる、その位の事は承知しているだろう、それでいてあんな真似を……実に淫哇みだらだ。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
実に淫哇みだらだ。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
そりゃこそ頬邊ほっぺた放埓みだらめがのぼるわ、所詮つまりなにいてもすぐ眞赤まっかにならッしゃらうぢゃまで。はやうおてらへ。
散所芸人たちの野芝居は、野卑で、淫猥みだらで、人間の皮をいて見せるように開けッぴろげな芸であったが、しかし少しも暗くはなかった。
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
牛のしりがいここに外れてモウともギュウとも云うべき言葉なく、何と珠運に云い訳せん、さりとて猥褻みだらなるおこないはお辰に限りてなかりし者をと蜘手くもでに思い屈する時、先程の男きたりてまた渡す包物つつみものひらきて見れば
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)