“みだり”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ミダリ
語句割合
40.7%
25.9%
13.0%
12.0%
0.9%
0.9%
0.9%
0.9%
0.9%
0.9%
0.9%
猥褻0.9%
躁妄0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
宋人のみだりに変改を加へたのはおもんぱかりの足らなかつたものである。題号の外台は、徐春甫が「天宝中出守大寧、故以外台名其書」と云つた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
人の己れをそしる可きを弁えず、我家人の禍となる可き事を知らず、みだり無辜むこの人を恨み怒り云々して其結果却て自身の不利たるを知らず
女大学評論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
何しろ、うつくしい像だけは事実で。——俗間で、みだりに扱うべきでないと、もっともな分別です。すぐに近間ちかまの山寺へ——浜方一同から預ける事にしました。
半島一奇抄 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
おもしろきさまの巌よと心留まりて、ふりかえり見れば、すぐそのかたえの山の根に、格子しつらい鎖さし固め、みだりに人の入るを許さずと記したるあり。
知々夫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
演技をなすものみだりに創意する処を示さんとしてその手これに伴はざれば全く取るなきにおわる。
一夕 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
気早きばやの人みだりにわれらを以て好古癖に捉はるるものとなすなかれ。われら真に良きものなれば何ぞ時の今古きんこと国の東西を云々うんぬんするのいとまあらんや。西班牙スペインに固有の橙紅色とうこうしょくあり。仏蘭西フランスに固有の銀鼠色ぎんねずみいろあり。
一夕 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
今時いまどきの民家は此様の法をしらずして行規ぎょうぎみだりにして名をけがし、親兄弟にはじをあたへ一生身をいたずらにする者有り。口惜くちおしき事にあらずや。女は父母のおおせ媒妁なかだちとに非ざれば交らずと、小学にもみえたり。
女大学評論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
されどもさかしき畔柳は事の密なるを策の上としてみだりに利の為に誘はれず、始よりその藩士なる鰐淵直行ただゆきの一手に貸出すのみにて、他は皆彼の名義を用ゐて、直接の取引を為さざれば
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
かれがさがみだりなる物にて、二八二牛とつるみてはりんみ、馬とあひては竜馬りようめを生むといへり。二八三此のまどはせつるも、はたそこの秀麗かほよき二八四たはけたると見えたり。
されどいざ手をこなたに伸べて我目をひらけ、我はひらかざりき、彼にむかひてみだりなるは是即ち道なりければなり 一四八—一五〇
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
老いたるものとて侮るべからず、無用に似たる人をも物をもみだりに棄てずば、また益をなすことあるべし。
印度の古話 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
あなたがみだりがましい人だとはどんな場合にも發見出來ないことだ。これが女の一等美しいものだと私は始終考へてゐるんです。
はるあはれ (旧字旧仮名) / 室生犀星(著)
又は変ぽうらいな手附きを為たりなど、よろずに瘋癲きちがいじみるまで喜びは喜んだが、しかしお勢の前ではいつも四角四面に喰いしばって猥褻みだりがましい挙動ふるまいはしない。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「さすればこれは海のすなよりも重からん、かかればわが言躁妄みだりなりけれ」とあるは、苦悩大なるため前の哀哭あいこくも我れ知らず躁妄に陥ったのであるとの意である。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)