トップ
>
漫
>
みだり
ふりがな文庫
“
漫
(
みだり
)” の例文
武士たるもの
二〇
漫
(
みだり
)
にあつかふべからず。かならず
貯
(
たくは
)
へ
蔵
(
をさ
)
むべきなり。
你
(
なんぢ
)
賤
(
いや
)
しき身の
分限
(
ぶげん
)
に過ぎたる
財
(
たから
)
を得たるは
二一
嗚呼
(
をこ
)
の
事
(
わざ
)
なり。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
人の己れを
誹
(
そし
)
る可きを弁えず、我家人の禍となる可き事を知らず、
漫
(
みだり
)
に
無辜
(
むこ
)
の人を恨み怒り云々して其結果却て自身の不利たるを知らず
女大学評論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
此の意を持して国民性を説く、(此の点につきては
漫
(
みだり
)
に作家のみ責むべき理由なしとするも)意や
可
(
よ
)
し、言の不妥なるを
如何
(
いかん
)
。
国民性と文学
(新字旧仮名)
/
綱島梁川
(著)
この
覩易
(
みやす
)
き理由はあるにも関らず無教育の青年男女が一時の劣情に駆られて、
漫
(
みだり
)
に
合卺
(
ごうきん
)
の式を挙ぐるは
悖徳没倫
(
はいとくぼつりん
)
のはなはだしき所為である。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
外国の
事情
(
じじょう
)
に通ぜざる日本人はこれを見て、本国政府の
意向
(
いこう
)
も
云々
(
うんぬん
)
ならんと
漫
(
みだり
)
に
推測
(
すいそく
)
して
恐怖
(
きょうふ
)
を
懐
(
いだ
)
きたるものありしかども
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
▼ もっと見る
先生歿後において吾々が
漫
(
みだり
)
に取捨をなすごときはもってのほかであると信じ、またこれが万々先生に背くのでないと固く信じているのである。
竹乃里人
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
漫
(
みだり
)
に自己の心を以て他人を忖度し揣摩臆測を以て無用の文字を重ね、恰かも群盲の鼎を評するが如き観あるは、実に今の批評家の通弊に非ずや。
美的生活論とニイチエ
(新字旧仮名)
/
登張竹風
(著)
されど
居
(
を
)
るにも
位列
(
ゐれつ
)
をなして
漫
(
みだり
)
ならず。
求食
(
あさる
)
時は
衆
(
みな
)
あさり、
遊
(
あそ
)
ぶ時はみなあそぶ。
雁中
(
がんちゆう
)
に一雁ありて
所為
(
なすところ
)
衆
(
みな
)
これに
随
(
したが
)
ふ、
大将
(
たいしやう
)
と
士卒
(
しそつ
)
とのごとし。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
彼れ人に対して
真率
(
しんそつ
)
、
漫
(
みだり
)
に辺幅を飾らず、
然
(
しか
)
れども広人
稠坐
(
ちゅうざ
)
の
裡
(
うち
)
、
自
(
おのずか
)
ら一種の正気、人を圧するものありしという。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
漫
(
みだり
)
に「文学は文学なり、宗教は宗教なり」と
曰
(
い
)
ふこと
勿
(
なか
)
れ、宗教文学豈に劃して二となすべきものならんや、文学の中に宗教あり、宗教の中に文学あり。
詩人論
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
人の親の、
其児
(
そのこ
)
に教ふるに愛を以てせずして
漫
(
みだり
)
に恭謙、貞淑、温柔をのみこれこととするは何ぞや。既にいふ、愛は「無我」なりと。我なきもの
誰
(
たれ
)
か人倫を乱らむや。
愛と婚姻
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
枕山は年いまだ四十に至らざるに
蚤
(
はや
)
くも時人と
相容
(
あいい
)
れざるに至ったことを悲しみ、それと共に後進の青年らが
漫
(
みだり
)
に時事を論ずるを聞いてその
軽佻
(
けいちょう
)
浮薄なるを
罵
(
ののし
)
ったのである。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
芦峅寺
(
あしくらじ
)
にては、劍山の道案内を知れる者有之候えども秘伝として、
漫
(
みだり
)
に人に伝えず、極めて高価の案内料を
貪
(
むさぼ
)
りて、
稀
(
まれ
)
に道案内をなせしことあるのみなりしが、今回の事にて
越中劍岳先登記
(新字新仮名)
/
柴崎芳太郎
(著)
従ってこの新訳は、
漫
(
みだり
)
に古語を近代化して、一般の読者に近づきやすくする通俗の書といわんよりも、むしろ現代の詩人が、古の
調
(
ちょう
)
を今の
節奏
(
リトム
)
に移し合せて、歌い出た新曲である。
『新訳源氏物語』初版の序
(新字新仮名)
/
上田敏
(著)
これは
五百
(
いお
)
が抽斎に聞き、保さんが五百に聞いた所を、
頃日
(
このごろ
)
保さんがわたくしのために筆に
上
(
のぼ
)
せたのである。わたくしは今
漫
(
みだり
)
に潤削を施すことなしに、これを
此
(
ここ
)
に収めようと思う。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
是
(
ここ
)
において議するものあり曰く国家の俸禄を
食
(
は
)
む史家は誤謬の索捜を勉めて国史の美観を損ずと。曰く国庫の資を以て蒐集したる断簡零墨を憑拠として
漫
(
みだり
)
に賢相名臣の跡を抹殺すと。
史論の流行
(新字旧仮名)
/
津田左右吉
(著)
そんな物があるやうに言つたのは、軽卒な
旅人
(
りよじん
)
が
漫
(
みだり
)
に空想を
弄
(
もてあそ
)
んで、無中に有を生じたのだらう。丁度ゴムで拵へた枕をふくらますやうに、僕は今この鱷をふくらます事が出来るのだ。
鱷
(新字旧仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
彼等は
漫
(
みだり
)
に
言
(
げん
)
を為して曰く、「福音の説かるゝところ必らず救あり」と、而して彼等は福音を説かずして、其字句を説く、自ら基督を負ふと称して、基督の背後に隠るゝ悪魔を負ふ、
咄
(
とつ
)
各人心宮内の秘宮
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
決して他日
漫
(
みだり
)
に
反噬
(
はんぜい
)
するような事もなく、庄司署長は有終の美をなしたのであろうが、こゝに少しく用意を欠いた為に、後日非常な面倒を
惹起
(
じゃっき
)
し、極一部からではあるが、署長が立身の踏台として
支倉事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
「嚢中
已
(
すで
)
に自ら有り、
漫
(
みだり
)
に
沽
(
か
)
うを
愁
(
うれ
)
うるなかれかね」
酒友
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
而
(
しこう
)
して其家を興すは即ち婦人の智徳にして争う可らざるの事実なるに、
漫
(
みだり
)
に之を評して無智と言う、漫評果して漫にして取るに足らざるなり。
女大学評論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
漫
(
みだり
)
に此の境域を明らめずして国民性全分の影を描けと要求するの果して当を得たりといふを得べきか。
国民性と文学
(新字旧仮名)
/
綱島梁川
(著)
幕府が令を発して世人の
漫
(
みだり
)
に海防の論議をなし人心を騒すことを禁じたのはあたかもこの年の五月である。毅堂は『聖武記採要』を刊行したために町奉行所の
詮議
(
せんぎ
)
するところとなった。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
海賊なりとて、
漫
(
みだり
)
に
嗤
(
わら
)
うなかれ。およそ
波濤
(
はとう
)
の健児たるもの、何者か海賊たらざりしものある。およそ万里の大海を開拓するもの、通商植民の先駆たるもの、何者か海賊たらざりしものある。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
校長は町と会社との関係を説いて、
漫
(
みだり
)
に平地に風波を起すのは得策でないと説諭した。道也の最後に望を
属
(
しょく
)
していた生徒すらも、父兄の意見を聞いて、身のほどを知らぬ馬鹿教師と云い出した。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
人々の
所見
(
しょけん
)
は
自
(
おのず
)
から
異
(
こと
)
にして
漫
(
みだり
)
に他より
断定
(
だんてい
)
するを得ず。
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
漫
(
みだり
)
に訪問するなどは警戒すべきであろう。
浜菊
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
小生の本心は
漫
(
みだり
)
に他を攻撃して楽しむものにあらず、
唯
(
ただ
)
多年来
(
たねんらい
)
心
(
こころ
)
に
釈然
(
しゃくぜん
)
たらざるものを
記
(
しる
)
して
輿論
(
よろん
)
に
質
(
ただ
)
し、天下後世の
為
(
た
)
めにせんとするまでの事なれば
瘠我慢の説:03 書簡
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
、
勝海舟
、
榎本武揚
(著)
漫
(
みだり
)
に方今の国民的特質を描けと言ふ、其の結果は小細工を以て糊塗せる過去の理想若しくは浅薄なる現時の俗人的理想を描写せしむるにとゞまるの悔なきを得るか。
国民性と文学
(新字旧仮名)
/
綱島梁川
(著)
その功は讃ずべし、その開国家たるの眼識は、
漫
(
みだり
)
に彼に許す
能
(
あた
)
わず。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
今春流行感冒に罹り臥床に在る事六十余日読書暁に及ぶ事
屡
(
しばしば
)
なり。やがて病癒え再び坐して机に向うに燈火
俄
(
にわか
)
に暗きを覚ゆ。医に問うに病中
漫
(
みだり
)
に書に親しむ時は往々此の事あり
速
(
すみやか
)
に老眼鏡を用うべし。
偏奇館漫録
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
そもそも論者の憂うるところを概言すれば、今の子弟は
上
(
かみ
)
を敬せずして不遜なり、
漫
(
みだり
)
に政治を談じて軽躁なりというにすぎず。論者の言、はなはだ
是
(
ぜ
)
なり。
徳育如何
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
漫
(
みだり
)
に嫉妬なる文字を濫用して巧に之を説き、又しても例の婦人の嫉妬など唱えて以て世間を
瞞着
(
まんちゃく
)
せんとするも、人生の権利は到底無視す可らざるものなり。
女大学評論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
今の少年は
不遜
(
ふそん
)
なり
軽躁
(
けいそう
)
なり、
漫
(
みだり
)
に政治を談じて身の程を知らざる者なりとて、これを
咎
(
とがむ
)
る者あれども、かりにその所言にしたがいてこれを酔狂人とするも
学問の独立
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
固より罪ある者を
漫
(
みだり
)
に赦すは社會の不幸にして、我帝室に於ても漫に行はせらる可き事に非ず。
帝室論
(旧字旧仮名)
/
福沢諭吉
(著)
青年の学生にして
漫
(
みだり
)
に政治を談じ、または政談の新聞紙等を読みて世間に
喋々
(
ちょうちょう
)
するは、我が輩も好まざるところにして、これをとどむるはすなわち静者をして静ならしめ
学問の独立
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
今試みに社会の表面に立つ長者にして子弟を
警
(
いまし
)
め、汝は不遜なり、なにゆえに長者につかえざるや、なにゆえに尊きを尊ばざるや、近時の新説を説きて
漫
(
みだり
)
に政治を談ずるが如きは
徳育如何
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
学者が政権によりて学問を人に
強
(
し
)
いんとし、事務家が学問の味を知らずして
漫
(
みだり
)
にこれを支配せんとするは、軍人が海陸軍の庶務をかねて、庶務の吏人が戦陣の事を差図せんとするに異ならず。
学問の独立
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
門閥の
故
(
ゆえ
)
を
以
(
もっ
)
て
漫
(
みだり
)
に威張るは男子の
愧
(
は
)
ずべき事である、見苦しきことであると云う観念を生じ、例えば上士下士
相対
(
あいたい
)
して上士が
横風
(
おうふう
)
である、私は
之
(
これ
)
を見てその上士の
傲慢無礼
(
ごうまんぶれい
)
を
憤
(
いきどお
)
ると同時に
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
学育もとより
軽々
(
けいけい
)
看過すべからずといえども、古今の教育家が
漫
(
みだり
)
に
多
(
た
)
を予期して、あるいは人の子を学校に入れてこれを育すれば、自由自在に期するところの人物を
陶冶
(
とうや
)
し出だすべしと思うが如きは
徳育如何
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
漫
常用漢字
中学
部首:⽔
14画
“漫”を含む語句
浪漫的
漫歩
浪漫
漫然
緩漫
浪漫主義
漫画
浪漫派
天真爛漫
漫々
冗漫
彌漫
淼漫
妄漫
漫火
放漫
漫語
浪漫趣味
漫遊中
瀰漫
...