“彌漫”のいろいろな読み方と例文
新字:弥漫
読み方割合
はびこ50.0%
びまん50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
仰向の男は、空一面彌漫はびこつて動かぬ灰雲の眞中を、默つてみつめて居る。螽の如く蹲んだ男は、平たい顏を俯向けて、右手の食指で砂の上に字を書いて居る。——「忠志」と書いて居る。
漂泊 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
仰向の男は、空一面に彌漫はびこつて動かぬ灰雲の真中を、黙つてみつめて居る。螽の如く蹲んだ男は、平たい顔を俯向うつむけて、右手みぎ食指ひとさしで砂の上に字を書いて居る——「忠志ただし」と書いて居る。
漂泊 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
こうしてコチコチの息の詰まりそうな精神状態が一世に彌漫びまんしてしまうのである。
余裕のことなど (新字新仮名) / 伊丹万作(著)
勢力彌漫びまんしたる虚空こくう大壯觀中だいさうくわんちゆう
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)