“びまん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
瀰漫87.5%
弥蔓3.6%
彌漫3.6%
弥漫1.8%
彌蔓1.8%
靡曼1.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
資材も使わず、労力もあまりかけないで、何かあっというような物を作ってもらいたいという希望が案外瀰漫びまんしているようである。
霧を消す話 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
熊野くまのを振り出しに伊勢や熱田あつたのあたりへ移って来て、やがて第二の勢力にその地位を譲って、消えてなくなってしまった比丘尼衆びくにしゅうを始めとし、かつてこの国土に弥蔓びまんした遊行女婦ゆうこうじょふの名は数多い。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
勢力彌漫びまんしたる虚空こくう大壯觀中だいさうくわんちゆう
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
飛鳥仏にみらるる微笑は、白鳳はくほう天平てんぴょうとなるにしたがって消え去って行くが、これは何故だろうか。微笑は更に内面化し、菩薩の姿態そのものに弥漫びまんして行ったのだと私は思う。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
軽薄なるハイカラの模倣、柔弱なる気風の彌蔓びまん、如何にして生活すべきやの嘆声、小成功熱せうせいかうねつの流行、議員高官の収賄、詐偽会社の出没。一方に於ては淫風の流行、奢侈、虚栄、無気力。
警戒すべき日本 (新字旧仮名) / 押川春浪(著)
彼女は生れつきの娥※がぼう靡曼びまんに加えて当時ひそかに交通のあった地中海沿岸の発達した粉黛ふんたいを用いていたので、なやましき羅馬ローマ風の情熱さえ眉にあふれた。
荘子 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)