“熊野”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くまの62.2%
ゆや37.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いったい吉野の山奥から熊野くまのへかけた地方には、交通の不便なために古い伝説や由緒ゆいしょある家筋の長く存続しているものがめずらしくない。
吉野葛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
かれ神倭伊波禮毘古の命、其地そこより𢌞り幸でまして、熊野くまのの村に到りましし時に、大きなる熊髣髴ほのかに出で入りてすなはち失せぬ。
琵琶と琴の合奏あわせはむずかしい。——が、御諚なればと、二人は懸命に、そのとき“熊野ゆや”のふしかなでて歌った。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おもてをつけず熊野ゆやの舞一くさりあり。久次の牢輿ろうごしにて連れ行かれしを見送り「まことや槿花きんか一日のさかえ、是非もなき世の盛衰ぢやなあ」との白廻せりふまわしもねうちあり。
両座の「山門」評 (新字旧仮名) / 三木竹二(著)