“熊野詣”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くまのもう50.0%
くまのもうで50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
熊野詣くまのもうでには、なぎの木を折って、髪やかぶりにかざして帰る風俗があるから、ここでも杉の葉をそうするような風習があったのだろうか。
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
延長えんちょう六年八月の頃、奥州に住む、安珍という年若い美僧が、熊野詣くまのもうでに出足しゅっそくした。その途中、牟婁郡むろごおりで、まさごの庄司清次しょうじせいじという男の家に、一夜の宿をもとめた。
京鹿子娘道成寺 (新字新仮名) / 酒井嘉七(著)
翌日になって豊雄は閨房ねやから逃げ出して庄司に話した。庄司は熊野詣くまのもうでに年々来る鞍馬寺くらまじの法師に頼んで怪しい物をとらえてもらうことにした。
蛇性の婬 :雷峰怪蹟 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
お供に召され、御自身も東国侍の何げない熊野詣くまのもうでと装われて、およそ四十日余りも、お留守であったのじゃ。——家中にもすべてその間は御在城のていにしておいたが
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)