“虚空”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こくう89.2%
そら5.7%
おおぞら1.3%
なかぞら1.3%
みそら1.3%
から0.6%
からっぽ0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
とうとうとムダ口をしゃべって大人おとな見物けんぶつをけむにまいた蛾次郎がじろうは、そこでヤッと気合いをだして、右手の独楽こま虚空こくうへ高くなげた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ハハハハ、氷をもてあそべば水を得るのみ、花のにおい虚空そらに留まらぬと聞いていたが、ほんとにそうだ。ハハハハ。どれどれめしにしようか、長話しをした。
太郎坊 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
高坂は思わず足踏あしぶみをした、草のしげりがむらむらとゆらいで、花片はなびらがまたもや散り来る——二片三片ふたひらみひら虚空おおぞらから。——
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
紫玉はうやうやしく三たび虚空なかぞらを拝した。
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
にそが黄金環こがねわかぎ虚空みそらのみち
独絃哀歌 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
煙草入たばこいれ虚空からであつた。かれ自分じぶん體力たいりよく滅切めつきりへつ仕事しごとをするのにかなくなつて、小遣錢こづかひせん不足ふそくかんじたとき自棄やけつたこゝろから斷然だんぜんそのほどすき煙草たばこさうとした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
彼は胃袋が虚空からっぽになったのを感じた。筆を置いて、両手で頭を支えると、自分の頭はまるで二つの柱に立てかけた地球儀のようであった。
幸福な家庭 (新字新仮名) / 魯迅(著)