“から”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:カラ
語句割合
24.1%
21.7%
12.7%
11.3%
8.1%
5.1%
空虚2.0%
2.0%
1.8%
1.6%
(他:134)9.6%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
十九日の朝から国道第一号や板橋街道や五日市街道を、からの陸軍の大型トラックがひっきりなしに出て行くのが注意をひいた。
だいこん (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
と、代金をおいて、外へ出て来た。彼の懐中ふところは、常にかくの如くにして、半日の休日には、からになるのが常だった。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
けれども今更鄭寧ていねいからげたかんじんよりの結び目をほどいて、一々中をあらためる気も起らなかった。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
たくさんの蛇はちっとも動かないで、眠ったようにからみ合っているばかりですが、誰がみても気味のいいものじゃありません。
半七捕物帳:34 雷獣と蛇 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
貪婪むさぼり善を求むる我等の愛を消して我等の働をとゞめしごとくに、正義はこゝに足をも手をもからめとらへて 一二一―
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
馬超は、降を容れて、城中へなだれこむとともに、韋康以下、その一類四十余人をからめ捕って、数珠つなぎにその首を刎ねて、
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
からくも八五郎が組敷いて、キリキリと繩を打つたのは、何んと、遠縁の奉公人といふ、あの如才のない音吉ではありませんか。
からうじて大和川やまとがはの支流幾つかを渡つて、に入つて高安郡たかやすごほり恩地村おんちむらに着いた。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
そのあざやかな色のそばには掛茶屋かけぢゃやめいた家があって、縁台の上に枝豆のからを干したまま積んであった。
初秋の一日 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
すなわちかきからはもう使っていないので、たたき屋根というのは、くぎをもって板を打ちつけた屋根のことである。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
それにまた、「そりやまだわかい。若船わかぶねつて、からまでわたれ。」(紀伊)といふのもあります。
お月さまいくつ (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
題を見ただけでも、からから渡りものの飜案で、安価な上方かみがた版のお伽稗子とぎぞうしそのままなのが直ぐ知れる。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
五合樽ごんごうだる空虚からと見えるのを、の皮をなわがわりにしてくくしつけて、それをかついで
雁坂越 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
病気はよくなったのですが、もう私には世の中がすっかり空虚からになったようで、ただ生きておるというばかりでした。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
「なにが無慈悲ぞ。女房を憐れと思うなら、しらをきるのはよすがいい。ええい面倒な、四の五をいわせず、引っからめろ」
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ちょうど、この辺が彼をからめ捕った場所だという所で、駕から出して、行け! という手振りを示してぱなすと、
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
よろめきそうな足を、一心にふみしめていたかの女は、やがて、のどからびつくような声を捕手とりてへ投げた。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
……余波なごりが、カラカラとからびたきながら、旅籠屋はたごやかまち吹込ふきこんで
貴婦人 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
せみさかえてからてる、ひといへとが、みな光榮くわうえいあり、便利べんりあり
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
こやつがむべきモンタギューがこしなる宿やど裳脱もぬけからで、無慚むざんや、愛女むすめむねさや
それから皮をいて短冊たんざくに切って鰹節かつぶし煮汁だしと醤油と味淋とで少しからい位に下煮をします。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
河は迂回うくわいして海にそそいでゐるので、そはの下では甘い水とからい水とが出合つてゐるのである。
妄想 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
このままにして乾燥した玉虫のからのように永久に自分から離さずに置く方法があればよいと
源氏物語:49 総角 (新字新仮名) / 紫式部(著)
デュアック エサは神々の子孫でいられますから、死にはなされませぬ、ただ其からはネサの砦に横わって、永久に死の夢のなかにタラの山を眺めておられるのでございましょう。
ウスナの家 (新字新仮名) / フィオナ・マクラウド(著)
九十に近い老僧がからびた病躯びょうくに古泥障を懸けて翼として胡蝶の舞を舞うたのであった。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
の松村の村はずれ、九本松くほんまつという俚称りしょうは辛く残りながら、樹々は老いからせかじけてまさよわい尽きんとし
雪たたき (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
春を呼んで、米はどうなっているかと問うてみると、丁度米櫃こめびつからになって、跡は明日あした持って来るのだと云う。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
博士はからになった杯を、黙って児髷ちごまげの子の前に出して酒を注がせて、一口飲んで語り続けた。
里芋の芽と不動の目 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
これも大山と背くらべをするために、わざわざからから渡って来た山だから、それで韓山というのだといい伝えております。
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
刀自たちは、初めはそんなから技人てびとのするやうな事はと、目もくれなかつた。だが時が立つと、段々興味を惹かれる様子が見えて来た。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
「一体どんな様子だね。」その声は声をからして叫ぶやうで、号令に疲れた隊長が、腹を立てゝ何か云ふやうに聞えた。
病者は自ら胸をいだきて、まなこねむること良久ひさしかりし、一際ひときわ声のからびつつ、
化銀杏 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その道の人にいわせれば魔術と奇術に相違はある、だが大ざっぱに一つからげにいえば、手品をつづめた「ずま」である。
奇術考案業 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
赤き顱巻はちまき向うざまにしめて、すそからげ、片肌脱ぎて、手にせる菓子の箱高く捧げたるがその銀六よ。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
其の頃では一駄七十五銭で、十四五本ぐらいずつからげましてこれを牛の脊で持って来るのを、組揚げて十二段にして出しますが
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
わなゝく指にて裾をからげ、手拭もて鉢巻し、脇差の下緒さげをにてたすき十字に綾取る間もあらせず。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
お力も何処どことなくなつかしく思ふかして三日見えねばふみをやるほどの様子を、朋輩ほうばい女子おんなども岡焼ながらからかひては、力ちやんお楽しみであらうね
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
りき何處どことなくなつかしくおもふかして三日えねばふみをやるほどの樣子やうすを、朋輩ほうばい女子おんなども岡燒おかやきながらからかひては
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
客樣きやくさませやうが空車からときだらうがやとなると用捨ようしやなくやになりまする、あきれはてるわがまゝをとこ
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
何が望みに牛馬うしうまの真似をする、ぜにを貰へたら嬉しいか、酒が呑まれたら愉快なか、考へれば何もかも悉皆しつかい厭やで、お客様を乗せやうが空車からの時だらうが嫌やとなると用捨なく嫌やに成まする
十三夜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
からき濁れる空氣をわけ、わが導者の、汝我と離れざるやう心せよとのみいへることばに耳を傾けて歩めり 一三―一五
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
欧洲の昔に「愚かなる国民の上にはからき政府あり」ということわざがあるといいます。
選挙に対する婦人の希望 (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
すると平八は苦笑したが、「俺もこの頃はヤキが廻ったよ。どうも一向元気がない」「いよいよもっていけませんな」「と、いうのもあの事件以来からだ」「鼓賊からでございますかな?」
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
こういう考えが浮かんで以来から、軽妙な頓智が出なくなった。
五右衛門と新左 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
しかし、球台たまたいたま、キユウ、チヨウク、おきやくの人から建物たてものかんじ、周圍しうい状態ぜうたい
文壇球突物語 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
「ま、何てえ大きな聲をするんだろう。」とおふくろは、些と眉をひそめ、「からは大きくツても、尚だカラ赤子ねんねなんですから。」と周三の顏を見て薄笑をする。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
今朝アタリハ空気ガ乾燥シ、老人ノのどガカラ/\ニ干からビ、風邪かぜヒキ加減ニナッテイルセイデ、呼吸ガ喉ヲ入ッタリ出タリスル度毎ニピイピイト云ウ音ヲ発スル。
瘋癲老人日記 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
から沢へは誰々が先発する、人夫が何人ついて行く、米は何斗持って行く。
可愛い山 (新字新仮名) / 石川欣一(著)
樺林かばばやしひらいて、また一軒、熊笹と玉蜀黍とうもろこしからいた小舎こやがある。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
わたしの生まれた家なども小麦のからをもちいて、かなりじょうずに葺いてあったが、その角度は関東の古い大きな萱屋かややとくらべると、気づかずにいられぬほどの鋭角であった。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
そばには、正覚坊しょうがくぼうの卵みたいな、三寸玉から五寸玉ぐらいまでの花火の外殻からが、まだ雁皮貼がんぴばりの生乾なまびになって幾つも蔭干しになっているし
銀河まつり (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なぜかというに、この草の実は苞形つとがた外殻からに包まれていて、この苞の敏感さは、人間の指さきがどうかした拍子にその肌に触れると、さも自分の清浄さを汚されでもしたかのように急に爆ぜわれて、なかに抱いている小坊主の種子を一気に弾き飛ばしてしまうからだ。
艸木虫魚 (新字新仮名) / 薄田泣菫(著)
勘次かんじただちからきはめて蕎麥そばからつてつひに一ごんかなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
其處そこには蕎麥そばからからられぬほどづつほこりいてしめつてる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
袈裟けさ掛絡からをまとえば、そのまま、虚無僧こむそうといった風采である。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ずっと後の、江戸時代のそれのように、その頃の薦僧には一定した宗服しゅうふくもなかったし、掛絡から袈裟けさなども、あんな美々びびしいよそおいはしていなかった。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
天の成せしか人の成せし将又諸天善神の蔭にて操り玉ひし歟、をくを造るに巧妙たくみなりし達膩伽尊者たにかそんじやの噂はあれど世尊在世の御時にも如是かく快き事ありしを未だきかねば漢土からにもきかず
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
おもしろくまた美わしき奇因縁なり妙因縁なり、天のなせしか人のなせしかはたまた諸天善神のかげにて操りたまいしか、おくを造るに巧妙たくみなりし達膩伽尊者たにかそんじゃの噂はあれど世尊せそん在世の御時にもかく快きことありしをいまだきかねば漢土からにもきかず
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
この新人ピアニストの古典には、古い伝統のからを破った、新しいリアリズムの生命があるのであろう。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
形は細く高い堂で、ちょうど蠑螺のからのようにぐるぐると廻って昇り降りが出来るような仕掛けに出来ており、三層位になっていて大層く出来た堂であった。
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