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『中秋の頃』
ふりがな文庫
『
中秋の頃
(
ちゅうしゅうのころ
)
』
芭蕉の葉が破れ始めた。これでも、秋がもう深くなつたことが思はれる。朝、目が覚めると虫の音がさびしく聞えてゐる。それが言ふに言はれない詩興を促がす。 これからは書ける時だなどと思ふ。その癖、毎年碌なものを書いたためしもなく過ぎて来た。二十五六 …
著者
田山録弥
著者
田山花袋
初出
「文章世界 第十二巻第十号」1917(大正6)年10月1日
文字種別
新字旧仮名
読書目安時間
約9分(500文字/分)
朗読目安時間
約15分(300文字/分)
作品に特徴的な語句
更
(
かは
)
瀟洒
(
しやうしや
)
囀
(
さへづり
)
雀
(
から
)
投
(
はふ
)
鈴生
(
すゞなり
)
興会
(
きようくわい
)
生籬
(
いけがき
)
蛛
(
くも
)
蝦蟇
(
がま
)
見惚
(
みと
)
雨滴
(
あまだれ
)