“蛛”の読み方と例文
読み方割合
くも100.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
子供はそこで縄を登っていった。それはちょうどくもが糸を伝わっていくようであった。そしてだんだん雲の中へ登っていって見えないようになった。
偸桃 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
道翹だうげうくもはらひつゝさきつて、りよ豐干ぶかんのゐた明家あきやれてつた。
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
これをば友朋輩にもらさじと包むに根生こんぜうのしつかりした、気のつよい子といふ者はあれど、障れば絶ゆるくもの糸のはかない処を知る人はなかりき
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
午飯ひるめしが出来たと人から呼ばれる頃まで、庭中の熊笹、竹藪のあいだを歩き廻って居た田崎は、空しく向脛むこうずねをば笹やいばらで血だらけに掻割かきさき、頭から顔中をくもの巣だらけにしたばかりで、狐の穴らしいものさえ見付け得ずに帰って来た。
(新字新仮名) / 永井荷風(著)
外記 やれ、家柄の身分のと、さま/″\の手械足枷てかせあしかせで、人を責めようとする窮屈な世の中、くもの巣にかゝつた蝶々蜻蛉もおなじことで、命とたのむ花の露も吸はれず、羽翅はがひをしばられて悶死もがきじに、あゝなんの因果で武士さむらひの子に生れたか。
箕輪の心中 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
あれ彼方あすこに迎ひの車が来てゐまする、とて指さすを見れば軒端のきばのもちの木に大いなるくもの巣のかかりて
うつせみ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
道翹はくもを払いつつ先に立って、閭を豊干のいたあき家に連れて行った。
寒山拾得 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
とてゆびさすをれば軒端のきばのもちのおほいなるくものかゝりて
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
これをばとも朋輩ほうばいにもらさじとつゝむに根生こんぜうのしつかりした、のつよいといふものはあれど、さわればゆるくもいとのはかないところひとはなかりき
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
此處はお前さんの家では無いか、此ほかに行くところも無からうでは無いか、分らぬ事を言ふ物ではありませぬと叱られて、夫でも母樣私は何處へか行くので御座りませう、あれ彼處に迎ひの車が來て居まする、とて指さすを見れば軒端のもちの木に大いなるくもの巣のかゝりて
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)