“蜘蛛手”の読み方と例文
読み方割合
くもで100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
見上ぐる山の巌膚いわはだから、清水は雨にしたたって、底知れぬ谷暗く、風はこずえに渡りつつ、水は蜘蛛手くもでそばを走って、駕籠は縦になって、雲を仰ぐ。
栃の実 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そのこちら側には願人坊主の講元があるといったような、士、工、商、雑居の吹き寄せ町で、そのごちゃごちゃと蜘蛛手くもでに張られた横路地を
蜘蛛手くもでに延びている無数の廊下! 廊下の左右には室の扉がズラリと一列に並んでいた。私は室の扉を叩いて見た。誰も中から返辞をしない。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)