“蛛手”の読み方と例文
読み方割合
くもで100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ばしの鉄材が蛛手くもでになって上を下へと飛びはねるので、葉子は思わずデッキのパンネルに身を退いて、両袖りょうそでで顔をおさえて物を念じるようにした。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
さかしたは、左右さいう植木屋うゑきや屋外をくぐわい足場あしばまうけ、半纏着はんてんぎ若衆わかもの蛛手くもでからんで、造菊つくりぎく支度最中したくさいちうなりけり。く/\フと古道具屋ふるだうぐやまへつ。彌次やじいはく、茶棚ちやだなはあんなのがいな。
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
恨みやが蛛手くもでによれ合って、それが自分の周囲の人たちと結び付いて、わけもなく葉子の心をかきむしっていたのに、その夕方の不思議な経験のあとでは
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)