“半纏着”の読み方と例文
読み方割合
はんてんぎ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
なだれに帯板へ下りようとする角の処で、頬被ほおかぶりした半纏着はんてんぎが一人、右側のひさしが下った小家の軒下暗い中から、ひたひたと草履で出た。
菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「何を二人で感心しておるのだ。口の利きようでみると、その半纏着はんてんぎのやつは、武士のようだが——」
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
樹木の茂った丘の崖下の低地の池のまわりには、今日も常連らしい半纏着はんてんぎの男や、親方らしい年輩の男や、番頭らしい男やが五六人、釣竿を側にして板の台に坐って、浮木うきを眺めている。
遁走 (新字新仮名) / 葛西善蔵(著)