“はんてんぎ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
半纏着55.6%
半纒着11.1%
半天着5.6%
半纏著5.6%
半纏被5.6%
絆纏着5.6%
絆纒着5.6%
袢天著5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「何を二人で感心しておるのだ。口の利きようでみると、その半纏着はんてんぎのやつは、武士のようだが——」
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
亥「わっち共のような半纒着はんてんぎの処へおめえさんが黒い羽織で来ちゃア気が詰って困るからお知らせ申さねえ」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
机の前には格子窓こうしまどがある、——その窓から外を見ると、向うの玩具問屋おもちゃどんやの前に、半天着はんてんぎの男が自転車のタイアへ、ポンプの空気を押しこんでいた。
お律と子等と (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
と、後に曳いた大きなはしけに、洋服や半纏著はんてんぎの二、三人が立って、何かしきりに帽子を振っているが、とても凄まじい揺れ方である。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
祖父は着馴きなれぬ半纏被はんてんぎに身をやつして、孫の手を引きながら佐竹ヶ原から御徒町辺おかちまちあたりの古道具屋を見歩いたが、いずれも高直たかねで力及ばず、ようよう竹町の路地の角に
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
三四間先きで、学生帽に絆纏着はんてんぎといふ風采ふうさいの小柄な中学生が、Aさんを見上げてキヨトンと立つてゐる。
姉弟と新聞配達 (新字旧仮名) / 犬養健(著)
男は大抵絆纒着はんてんぎである。三枝はその一人を見て、「好い男だなあ」と云った。いなせとでも云うような男である。三枝の理想の好男子は絆纒着のうちにあると見える。
ヰタ・セクスアリス (新字新仮名) / 森鴎外(著)
もし果して十何文かを足し前すれば、なまぐさの方の皿盛りが取れるんだが、こういうお客様は大抵袢天著はんてんぎの方だからなかなかそんな贅沢はしない。
孔乙己 (新字新仮名) / 魯迅(著)