“着馴”の読み方と例文
読み方割合
きな100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
平生ふだん着馴きなれた振袖ふりそでから、まげも島田に由井ヶ浜、女に化けて美人局つつもたせ……。ねえ坊ちゃん。梅之助が一番でしょう」
山の手の子 (新字新仮名) / 水上滝太郎(著)
ほおのあたりにおのずから愛敬ありて。人の愛をひく風情ふぜいかしらにかざしたるそうびの花もはじぬべし。腹部はさのみほそからねども。洋服は着馴きなれたるとおぼし。
藪の鶯 (新字新仮名) / 三宅花圃(著)
祖父は着馴きなれぬ半纏被はんてんぎに身をやつして、孫の手を引きながら佐竹ヶ原から御徒町辺おかちまちあたりの古道具屋を見歩いたが、いずれも高直たかねで力及ばず、ようよう竹町の路地の角に
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)