“手焙”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
てあぶ53.3%
てあぶり46.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
主人八郎兵衛と番頭、度を失って挨拶も忘れたものか、蒼褪あおざめた顔色も空虚うつろに端近の唐金から手焙てあぶりを心もち押し出したばかり——。
丸行燈まるあんどんが一つ、赤あかと炭火のおこっている手焙てあぶりが二つ、さくらの脇に燗鍋かんなべをのせた火鉢があり、それには燗徳利かんどくりが二本はいっていた。
醜聞 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
『來ないのは來ないでせうなア。』と、校長は獨語の樣に意味のないことを言つて、卓の上の手焙てあぶりの火を、煙管で突ついてゐる。
足跡 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
道場の前を通つて、下男部屋を覗くと、大痕痘おほあばたの熊吉が、庭の掃除をすませ、手焙てあぶりを股火鉢にして、これだけは贅澤らしい煙草をくゆらせてをります。