“燗鍋”の読み方と例文
読み方割合
かんなべ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
十太夫がやり返そうとすると、おわかが小女たちと共に、角樽つのだる片口かたくちや、燗鍋かんなべをかけた火鉢などを運んで来、賑やかに燗の支度を始めた。
饒舌りすぎる (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
有働良夫氏の話に肥後の菊池では村民の不都合な者を排斥することを「燗鍋かんなべかるわせる」という。すなわち炊具一つ負わせて居村を追い出すことだ。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
女は何か云って会釈しながらともの方へ往ったが、すぐ一つの膳へ魚の煮たのを盛った皿や、めしのつけてある茶碗などを乗せて燗鍋かんなべといっしょに持って来た。
参宮がえり (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)