“てあぶり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
手焙77.8%
手炉11.1%
手炙火鉢5.6%
手烙5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
道場の前を通つて、下男部屋を覗くと、大痕痘おほあばたの熊吉が、庭の掃除をすませ、手焙てあぶりを股火鉢にして、これだけは贅澤らしい煙草をくゆらせてをります。
今日はまた珍客の入来じゅらいとて、朝まだきの床の中より用意に急がしく、それ庭を掃けしとねを出せ、銀穂屋ぎんぼや付きの手炉てあぶりに、一閑釣瓶いっかんつるべの煙草盆、床には御自慢の探幽たんゆうが、和歌の三夕これを見てくれの三幅対
書記官 (新字新仮名) / 川上眉山(著)
二階には手炙火鉢てあぶりが運ばれた。吸物椀や硯蓋すずりぶたのたぐいも運び出された。冬の西日が窓に明るいので女房は屏風を立て廻してくれた。
籠釣瓶 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
親爺おやぢきざ烟草たばこかすので、のある長い烟草盆を前へ引き付けて、時々とき/″\灰吹はいふきをぽん/\とたゝく。それが静かなにはへ響いておとがする。代助の方はきん吸口すひくちを四五本手烙てあぶりなかならべた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)