“裀”の読み方と例文
読み方割合
しとね100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
声をかけて見ようと思う、嫗は小屋で暗いから、ほかの一人はそこへと見るに、たれも無し、月を肩なる、山の裾、蘆をしとねの寝姿のみ。
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ところが、一閣の室に通されて見ると、この寒いのに、暖炉の備えもなくとうの上にしとねも敷いてなかった。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼は十五の少年の驚くまでに大人びたるおのれを見て、その着たるきぬを見て、その坐れるしとねを見て、やがて美き宮と共にこの家のぬしとなるべきその身を思ひて、そぞろに涙を催せり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)