“少焉”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しばらく66.7%
しばし33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
少焉(しばらく)して父は辞して帰つた。間もなく僕(しもべ)が煎薬を茶碗に注いで持つて来た。此時良三は苦悶に堪へぬので、危険を冒して下剤を服せむことを欲した。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
彼は食事を了(をは)りて湯浴(ゆあみ)し、少焉(しばらく)ありて九時を聞きけれど、かの客は未(いま)だ帰らず。寝床に入(い)りて、程無く十時の鳴りけるにも、水声空(むなし)く楼を繞(めぐ)りて、松の嵐の枕上(ちんじよう)に落つる有るのみなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
少焉(しばし)泣きたりし女の声は漸(やうや)く鎮りて、又湿(しめ)り勝(がち)にも語り初(そ)めしが、一たび情(じよう)の為に激せし声音は、自(おのづ)から始よりは高く響けり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
少焉(しばし)ありて前(さき)のアヌンチヤタに似たる少女は此室に入り、將に進みて我が居る亭に入らんとす。われは心にいたく驚きて、身内(みうち)の血の湧き立つを覺えき。