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少焉
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しばらく
ふりがな文庫
“
少焉
(
しばらく
)” の例文
少焉
(
しばらく
)
して父は辞して帰つた。間もなく
僕
(
しもべ
)
が煎薬を茶碗に注いで持つて来た。此時良三は苦悶に堪へぬので、危険を冒して下剤を服せむことを欲した。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
彼は食事を
了
(
をは
)
りて
湯浴
(
ゆあみ
)
し、
少焉
(
しばらく
)
ありて九時を聞きけれど、かの客は
未
(
いま
)
だ帰らず。寝床に
入
(
い
)
りて、程無く十時の鳴りけるにも、水声
空
(
むなし
)
く楼を
繞
(
めぐ
)
りて、松の嵐の
枕上
(
ちんじよう
)
に落つる有るのみなり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
少焉
(
しばらく
)
あって、一しきり
藻掻
(
もが
)
いて、体の下になった右手をやッと
脱
(
はず
)
して、両の
腕
(
かいな
)
で体を支えながら起上ろうとしてみたが、何がさて
鑽
(
きり
)
で揉むような痛みが膝から胸、
頭
(
かしら
)
へと貫くように
衝上
(
つきあ
)
げて来て
四日間
(新字新仮名)
/
フセヴォロド・ミハイロヴィチ・ガールシン
(著)
晩餐
了
(
をわ
)
りて
眠
(
みん
)
に
就
(
つ
)
く、
少焉
(
しばらく
)
ありて
眼覚
(
めさ
)
むれば何ぞ
図
(
はか
)
らん、全身
雨
(
あめ
)
に
濡
(
うるを
)
うて水中に
溺
(
おぼ
)
れしが如し、
衆
(
しう
)
既
(
すで
)
に早く
覚
(
さ
)
む、皆
笑
(
わら
)
つて曰く君の熟睡
羨
(
うらや
)
むに
堪
(
た
)
へたりと、之より雨益
甚
(
はなはだ
)
しく
炉辺
(
ろへん
)
流
(
なが
)
れて河をなし
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
すると抽斎先生は、大分諸君は倦んで来たやうだ、少し休んで茶でも
喫
(
の
)
むが好いと云つて、茶菓を供した。
少焉
(
しばらく
)
して、さあ、睡魔が降伏したら、もう少し遣らうと云つて講説した。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
少焉
(
しばらく
)
して猫は一尾の
比目魚
(
かれひ
)
を
銜
(
くは
)
へて来て、蘭軒の
臥所
(
ふしど
)
の
傍
(
かたはら
)
に置いた。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
少
常用漢字
小2
部首:⼩
4画
焉
漢検1級
部首:⽕
11画
“少”で始まる語句
少
少時
少女
少年
少許
少々
少輔
少弐
少女子
少尉