“枕上”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
まくらがみ61.5%
ちんじょう15.4%
ちんじやう7.7%
ちんじよう7.7%
まくら7.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
過るころ天地あめつちも砕けぬばかりのおどろ/\しき音して地ふるふに、枕上まくらがみ燈火ともしび倒れやせむと心許なく、臥したるままにやをら手を伸べつつ押さへぬ。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
まず「枕上ちんじょう」であるが、毎日の仕事に追われた上に、夜なべ仕事でくたびれて、やっと床につく多くの人には枕上は眠る事が第一義である。
路傍の草 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
四 月余げつよの不眠症の為に〇・七五のアダリンを常用しつつ、枕上ちんじやう子規しき全集第五巻を読めば、俳人子規や歌人子規のほかに批評家子規にも敬服すること多し。
病中雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
彼は食事ををはりて湯浴ゆあみし、少焉しばらくありて九時を聞きけれど、かの客はいまだ帰らず。寝床にりて、程無く十時の鳴りけるにも、水声むなしく楼をめぐりて、松の嵐の枕上ちんじように落つる有るのみなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
やせ果てしはさらにやせて、肉という肉は落ち、骨という骨はあらわれ、蒼白あおじろおもてのいとど透きとおりて、ただ黒髪のみ昔ながらにつやつやと照れるを、長く組みて枕上まくらにたらしたり。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)