から)” の例文
樺林かばばやしひらいて、また一軒、熊笹と玉蜀黍とうもろこしからいた小舎こやがある。あたりにはかばったり焼いたりして、きびなど作ってある。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
役に立たなくなった古い手押し車を原に出して置いて、わくの上に、大麦や裸麦のからをかぶせて屋根を作り、番人はその中にはいって寝るんです
その左右が二尺足らずの高さのカン(温突)になつて居て、其上に高粱のからで造つた莚——謂ゆる「アンペラ」が敷かれ、片方に十人づつの華工の寝床が並んでゐる。
わたしの生まれた家なども小麦のからをもちいて、かなりじょうずに葺いてあったが、その角度は関東の古い大きな萱屋かややとくらべると、気づかずにいられぬほどの鋭角であった。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)