“麦稈帽”のいろいろな読み方と例文
旧字:麥稈帽
読み方割合
むぎわらぼう88.9%
むぎわらばう11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
白地の浴衣ゆかた麦稈帽むぎわらぼうを被った裔一は、ひる過の日のかっかっと照っている、かなめ垣の道に黒い、短い影を落しながら、遠ざかって行く。
ヰタ・セクスアリス (新字新仮名) / 森鴎外(著)
……と思うと、もう麦稈帽むぎわらぼうを頭に乗っけて、夕日のカンカン照る往来に出て行った。私はそのまぶしいうしろ姿を見送りながら
鉄鎚 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
麦稈帽むぎわらばうをかぶつた単衣ひとへの古びた羽織を着たかれの姿は、午後の日の暑く照る田圃道たんぼみちを静かに動いて行つた。町は市日いちびで、近在から出た百姓がぞろ/\と通つた。
ある僧の奇蹟 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
銀座に柳のうわつてゐた、汁粉屋しるこやの代りにカフエのえない、もつと一体に落ち着いてゐた、——あなたもきつと知つてゐるでせう、云はば麦稈帽むぎわらばうはかぶつてゐても、薄羽織を着てゐた東京なのです。