“麦藁帽子”の読み方と例文
旧字:麥藁帽子
読み方割合
むぎわらぼうし100.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私はやっと其処そこに、黄いろい麦藁帽子むぎわらぼうしをかぶった、背の高い、せぎすな、一人の少女が立っているのだということを認めることが出来た。
美しい村 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
明るい色の衣裳いしょうや、麦藁帽子むぎわらぼうしや、笑声や、噂話うわさばなし倐忽たちまちあいだひらめき去って、夢のごとくに消えせる。
冬の王 (新字新仮名) / ハンス・ランド(著)
彼女はわたしに気がつくと、立ち止って、麦藁帽子むぎわらぼうしの縁を押し上げ、ビロウドのような眼でわたしを見上げた。
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
彼女のかぶっていたへなへなの麦藁帽子むぎわらぼうしふちが水につかって、船頭にあやつられる船の勢にさからうたびに、可憐な波をちょろちょろ起した。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
女は大きな麦藁帽子むぎわらぼうしを急いでかぶって、男に二三度キスをして置いて、往来へけ出した。
みれん (新字新仮名) / アルツール・シュニッツレル(著)
質素なる黒の上着に麦藁帽子むぎわらぼうしこしらえにて、遠慮らしくしずかきたる。
辻永は麦藁帽子むぎわらぼうしをヒョイと取って門衛に挨拶あいさつをすると、スタコラ足を早めていった。
地獄街道 (新字新仮名) / 海野十三(著)
すると一時恢復したように見えた疲労が、意地悪くまだ残っていたのか、新蔵は今更のように気が沈んで、まるで堅い麦藁帽子むぎわらぼうしが追々頭をしめつけるのかと思うほど、烈しい頭痛までして来ました。
妖婆 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
下足札を受け取って上がって、麦藁帽子むぎわらぼうしを預けて、紙札をもらった。
余興 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
むろん、この堤の上を麦藁帽子むぎわらぼうしとステッキ一本で散歩する自分たちをも。
武蔵野 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)