“鹿垣”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ししがき88.9%
しゝがき11.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
もちろん、大橋の橋板はすべて撤去し、橋づめの口には、厳重な鹿垣ししがき。ここには弓隊だけでなく、その後方に長槍隊と歩兵部隊が厚く見える。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
北は見渡す限り目もはるに、鹿垣ししがききびしく鳴子なるこは遠く連なりて、山田の秋も忙がしげなり。
書記官 (新字新仮名) / 川上眉山(著)
四冢は前に沔水べんすいの流れをひかえて、要路は鹿垣ししがきをむすび、搦手からめては谷あり山あり深林ありして鳥もけ難いほどな地相である。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
——と、それからすぐだった。裏手の方で木でも裂けるような響きがした。つづいて鹿垣ししがきの鳴子の鈴が風もないのに鳴った。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
つまり巨大な土壇にたたみあげて、その急斜面には、鹿垣ししがきをつらね、さらに胸壁きょうへきやら板塀など二重三重のかまえを上にむすび、内にはまた大木や大石を山とつんで、
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それ故よう知っておりますが、つい此の河原に二十間四方も堀を掘りまして、ぐるりへ鹿垣しゝがきいましてな、殿のお首はその垣の中に、西向きに据えてござりました。
聞書抄:第二盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
そうして翌八月の一日には、皆々此の世の暇乞いとまごいに文などを書きしたゝめたが、その間に三条河原では、二十間四方の堀を掘り、鹿垣しゝがきめぐらし、三条橋の下に三間の塚を築き、秀次の首を西向きに据え、公達や女房達にそれを拝ませると称して、二日の朝早くからそこへ引き出したのである。
聞書抄:第二盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
さて第三は、秀次の公達きんだちや妻妾共が三条河原で斬られた日、鹿垣しゝがきの外でその有様を窺い、阿鼻叫喚あびきょうかんのこえに断腸の思いを忍んでから後の順慶であって、彼が舊主三成の残虐を恨み、豊臣氏の天下をのろって、不昧因果の歌を吟じつゝ乞食坊主にまでなり下ったのは、実にそれからなのである。
聞書抄:第二盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)