鹿垣しゝがき)” の例文
それ故よう知っておりますが、つい此の河原に二十間四方も堀を掘りまして、ぐるりへ鹿垣しゝがきいましてな、殿のお首はその垣の中に、西向きに据えてござりました。
聞書抄:第二盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
皆々此の世の暇乞いとまごいに文などを書きしたゝめたが、その間に三条河原では、二十間四方の堀を掘り、鹿垣しゝがきめぐらし、三条橋の下に三間の塚を築き、秀次の首を西向きに据え
聞書抄:第二盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
秀次の公達きんだちや妻妾共が三条河原で斬られた日、鹿垣しゝがきの外でその有様を窺い、阿鼻叫喚あびきょうかんのこえに断腸の思いを忍んでから後の順慶であって、彼が舊主三成の残虐を恨み、豊臣氏の天下をのろって
聞書抄:第二盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)