“懐炉”の読み方と例文
旧字:懷爐
読み方割合
かいろ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
俺は風邪気味で、懐炉かいろを背負って憮然と庭を眺めていると、遠くから大勢の声が近づいて来て、玄関の方でなにか口々に呼び合っている。
湖畔 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
此大きな無遠慮な吾儘坊わがままぼっちゃんのお客様の為に、主婦は懐炉かいろを入れてやった。大分だいぶおちついたと云う。おそくなって風呂がいた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
あるいはなお数日生きながらえるとしても、最後のまぎわまでその懐炉かいろの中に多少の温い灰がありさえすれば、なにも不平をこぼさないだろう。
死刑囚最後の日 (新字新仮名) / ヴィクトル・ユゴー(著)