“北風”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きたかぜ64.6%
ならい14.6%
ほくふう10.4%
かたま2.1%
ぺいふう2.1%
アクイロネ2.1%
トラモンタアネ2.1%
ペイフォン2.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「おじさんのたこ、一ばんだこになれる?」と、北風きたかぜかれながら、あくまであおれわたったそら見上みあげて、賢二けんじがいいました。
北風にたこは上がる (新字新仮名) / 小川未明(著)
空は一面に曇って雪模様、風は少し北風ならいが強く、ドブン/\と橋間はしまへ打ち附ける浪の音、真暗まっくらでございます。
文七元結 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ちょうど生きた人魂ひとだまだね。て門を這入ってみると北風ほくふう枯梢こしょう悲断ひだんして寒庭かんていなげうち、柱傾き瓦落ちて流熒りゅうけいいたむという、散々な有様だ。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
利根川は北風かたまいなさの吹き替へにむれてくだる帆つぎてのぼる帆
長塚節歌集:2 中 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
次の宮田は、方形に並べた牌の中から、一つ取り上げてそれを手駒の牌と見比べてから「北風ぺいふう」と叫んで、北風と書いた牌を捨てた。
第二の接吻 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
七のニンフェは北風アクイロネ南風アウストロも消すあたはざる光を手にし、彼のまはりに身をもてまろきかこひをつくれり 九七—九九
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
前日強い北風トラモンタアネに送られてパレルモに向けて航行したる弗列戛艇フレガツテエの事を報じ、「かの風なれば今度の航海には三十六時間以上はかからないだらう」
海郷風物記 (旧字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
それは北風ペイフォンの一番しまいで、此の時も清三が親、俺はやはり彼の上で、俺の対面トイメンが今度は友田であった。
彼が殺したか (新字新仮名) / 浜尾四郎(著)