海郷風物記かいきょうふうぶつき
夕暮れがた汽船が小さな港に着く。 點燈後程經た頃であるからして、船も人も周圍の自然も極めて蕭かである。その間に通ふ靜かな物音を聞いてゐると、かの少年時の薄玻璃の如くあえかなる情操の再び歸り來るのではないかと疑ふ。 艀舟から本船に荷物を積み入 …
作品に特徴的な語句
ころほ 彼方かしこ おもむき 相貌フイジオノミイ しり さみ あめふ 北風トラモンタアネ せち 因縁いはれ 諦視みつ をか 薄紅うすくれなゐ わが 揷話エピソオド 青縞めく 鬱憂メランコリツク みづか 更衣ころもがへ びと なつか 神秘ミスチツク だま 蹌踉よろめ わか ゑひ 因縁ゆかり はひ 螢石フリウオリイン しめや した 蹌踉よろ ちかづ 縱令よし くろ 靈液ネクタアル 頌歌ほめうた 漁夫れふし じに なん 御船おふね 少時しばし 機關からくり なつ おもて 虚言うそ 裸體はだか 彌勒みろく 巽風シロツコ うた 謳者うたひて やま 少時しばらく 轉向モヂユラシオン 配調アランジマン よめ 天草あまくさ 入日いりひ 何處どこ ほか 種々いろいろ 活色かついろ 波頭なみがしら みんな しわ 盲目めくら 此地ここ 眞黒まつくろ 欄干らんかん まち 木偶でく 昨夜ゆうべ 船唄ふなうた 艀舟はしけ 華魁おいらん 萬祝まいはひ ほしいまま 浮繪うきゑ 影繪シルエツト