“諦視”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ていし55.6%
なが11.1%
ながめつめ11.1%
まも11.1%
みつ11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
既にして黒き物の其前に現るゝあり。諦視ていしすれば、一葉の舟の、海底より湧き出でもしたらん如く、燃ゆる水の上を走り來るにぞありける。
びんすこし白んで、悦ばしそうに貞之進を諦視ながめ、一旦思込んだ修行のり遂げるまでは、決して費用をおしむ所存はなく、そうかと云ってお前を危ぶむではないが
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
この時日は既に万家ばんかむねに没しても、余残なごりの影をとどめて、西の半天を薄紅梅にそめた。顧みて東方とうぼうの半天を眺むれば、淡々あっさりとあがった水色、諦視ながめつめたら宵星よいぼしの一つ二つはほじり出せそうな空合そらあい
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
とおきやうものさしつゑ振返ふりかへりて吉三きちざうかほ諦視まもりぬ。
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
その一人は羨ましさうにほかの子の持つ二つの小さい薄荷水の罎を諦視みつめて居た。遂には彼はそれを要求するに至つた。そこで小さい爭が始まる。
海郷風物記 (旧字旧仮名) / 木下杢太郎(著)