“東方”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
とうほう23.8%
ひがし14.3%
ひんがし14.3%
ひがしがた9.5%
あがりかた4.8%
とうはう4.8%
とうばう4.8%
とうぼう4.8%
ひがしかた4.8%
ひがしのかた4.8%
アガリ4.8%
オリエンテ4.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いまは、場面をかえて、山下清一やましたせいいちという東方とうほう製鋼会社の社長の大きなやしきにおこった、奇怪なできごとをしるさねばなりません。
魔法博士 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
世界輿地圖せかいよちづ表面ひやうめんあらはれてるものであらうか、矢張やはり印度洋インドやうちう孤島ことうだらうか、それともズツト東方ひがしへんして、ボル子オ群島ぐんとうの一つにでもぞくしてるのではあるまいか。
されどもとほ東方ひんがしの、曙姫あけぼのひめ寢所ねどころから、あの活々いき/\した太陽たいやう小昏をぐらとばりけかくれば、おもこゝろせがれめはそのあかるさから迯戻にげもどり、まどぢ、きらうて、れからよるをばつくりをる。
そこへ明治四十二年の夏場所が来て、而も此時は太刀山が新大関の栄位につき、駒ヶ嶽の東方ひがしがた正大関と肩を双べる地位に迄迫つて来た。
八百長くづれ (新字旧仮名) / 栗島山之助(著)
この地方すなわち俗に東方あがりかたと称する所は古来沖縄の霊地となっていたのであります。
ユタの歴史的研究 (新字新仮名) / 伊波普猷(著)
てんいまだくらし。東方とうはう臥龍山ぐわりうざんいたゞきすこしくしらみて、旭日きよくじつ一帶いつたいこうてうせり。昧爽まいさうきよく、しんみて、街衢がいく縱横じうわう地平線ちへいせんみな眼眸がんぼううちにあり。しかして國主こくしゆ掌中しやうちうたみ十萬じふまんいまはたなにをなしつゝあるか。
鉄槌の音 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ロレ 灰色目はひいろめあした顰縮面しかめつらよるむかうてめば、光明ひかりしま東方とうばうくもいろどり、げかゝるやみは、かみまへに、さながら醉人ゑひどれのやうに蹣跚よろめく。
この時日は既に万家ばんかむねに没しても、余残なごりの影をとどめて、西の半天を薄紅梅にそめた。顧みて東方とうぼうの半天を眺むれば、淡々あっさりとあがった水色、諦視ながめつめたら宵星よいぼしの一つ二つはほじり出せそうな空合そらあい
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
大樹の幹は、東方ひがしかたの平野から吹きあげる千年の風に靡いて、恰も大空の星の壮麗に仰天のあまり、これは/\とばかりに胸をのけ反らせ腕を拡げて呆気にでもとられてゐる姿であつた。
剥製 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
その老水夫らうすゐふがいろ/\の興味けうみあるはなしなかで、もつとふかわたくしこゝろきざまれてるのは、一番いちばんおそろしい航路かうろ印度洋インドやうだとうふ物語ものがたり亞弗利加洲アフリカしう東方ひがしのかた、マダカッスルたうからも餘程よほどはなれて
まや・いちきと言ふ語も、同音聯想は違つた説明をも導く様であるが、やはり南方での、儀来河内ギライカナイなのであらう。楽土の主神の名のあがるいは、東方アガリと言ふ意を含んでゐる。
琉球の宗教 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
是故にこの處のことをいふ者、もしふさはしくいはんと思はゞ、アーシェージといはずして(ことば足らざれば)東方オリエンテといふべし 五二—五四
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)