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一帶
古い/\
昔は、この
一帶は
暖帶林の
上部から
温帶林の
下部に
屬する
樹木、すなはち
常緑の
濶葉樹や
落葉樹でおほはれてゐたのです。
東と
西と
南の
三方は
此島の
全面で、
見渡す
限り
青々とした
森つゞき、
處々に
山もある、
谷も
見える、また
逈か/\の
先方に
銀色の
一帶の
隱見して
居るのは、
其邊に
一流の
河のある
事が
分る。
天未に
闇し。
東方臥龍山の
巓少しく
白みて、
旭日一帶の
紅を
潮せり。
昧爽氣清く、
神澄みて、
街衢縱横の
地平線、
皆眼眸の
裡にあり。
然して
國主が
掌中の
民十萬、
今はた
何をなしつゝあるか。