“いつたい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
一體51.9%
一体15.4%
一帶9.6%
一躰7.7%
元来3.8%
一隊3.8%
一堆1.9%
一帯1.9%
全体1.9%
総体1.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
今度こんどたびは、一體いつたいはじめは、仲仙道線なかせんだうせん故郷こきやういて、其處そこで、一事あるようすましたあとを、姫路行ひめぢゆき汽車きしや東京とうきやうかへらうとしたのでありました。
雪霊続記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
梧桐あをぎり芭蕉ばせう、柳など詩や句に揺落えうらくを歌はるるものは、みな思ひのほか散る事遅し。一体いつたい百日紅と云ふ木、春も新緑の色あまねき頃にならば、容易に赤い芽を吹かず。
雑筆 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
ひがし西にしみなみ三方さんぽうこのしま全面ぜんめんで、見渡みわたかぎ青々あを/\としたもりつゞき、處々ところ/″\やまもある、たにえる、またはるか/\の先方むかう銀色ぎんしよく一帶いつたい隱見いんけんしてるのは、其邊そのへん一流いちりうかはのあることわかる。
師走の月は世間一躰いつたい物せわしき中を、こと更に選らみて綾羅きらをかざり、一昨日おととひ出そろひしと聞くそれの芝居、狂言も折から面白き新物しんものの、これを見のがしてはと娘共の騒ぐに、見物は十五日
大つごもり (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
元来いつたい政治をるに天子様をさしはさんで為やうといふは日本人の不心得で、昔日むかしから時の政府に反対するものを直ぐ朝敵にして了うが
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
あとから、背嚢はいなう荷銃になひづつしたのを、一隊いつたい十七にんまでかぞへました。
雪霊続記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
畑中の一堆いつたいきうに土造の穀物納屋の立ちたるを聖書の画見る心地にをかしと見つゝ、やがてナザレの山麓に到る。石だらけの山坂路やまさかみち、電光形に上りて行く。
砂山のそはが松の根に縦横に縫はれた、殆ど鉛直な、所々中窪なかくぼに崩れた断面になつてゐるので、只はてもない波だけが見えてゐるが、此山と海との間には、一筋の河水と一帯いつたい中洲なかすとがある。
妄想 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
それが、顔全体いつたいを恐ろしくして見せるけれども、笑ふ時は邪気あどけない小児こどもの様で、小さい眼を愈々小さくして、さも面白相に肩をゆする。
刑余の叔父 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
さても彼等のあの家が、今では総体いつたいに心地よく