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いつたい
「
一體是や、
何う
云ふ
了見だね」と
自分で
飾り
付けた
物を
眺めながら、
御米に
聞いた。
御米にも
毎年斯うする
意味は
頓と
解らなかつた。
今度の
旅は、
一體はじめは、
仲仙道線で
故郷へ
着いて、
其處で、
一事を
濟したあとを、
姫路行の
汽車で
東京へ
歸らうとしたのでありました。
一體家屋が
新しい
間は
柱と
横木との
間を
締めつけてゐる
楔が
能く
利いてゐるけれども、それが
段々古くなつて
來ると、
次第に
緩みが
出て
來る。
一體これらの
石斧を
使用するときはどうしたかといひますのに、
石のまゝ
握つて
使つたものもありますが、
木の
柄を
着けた
場合もありまして
逃したが又儀左衞門殿も
一體白妙が
馴染の客にて是も其夜白妙を
阿部河原まで
追駈來られ重五郎と
問答中白妙は
船に
飛乘柴屋寺まで參りしなり其後樣子を
一體文學などいふものは、
一人がよいといひだすと、いつまでもその
批評が
續くもので
誰も
彼も、
前の
人の
言葉から
離れて
考へることの
出來ないものであつて、
存外つまらないものでも
夫人!
先刻貴女も
左樣仰つしやいましたねえ。
私も
眞個に、
此世でまた
貴女にお
目にかゝらうとは
思ひ
設けませんでした、
實に
不思議ですよ、
一體あの
時は
如何して
御助命になりました。
さま/″\な
批評に
弄ばれながら、繪葉書の
上に
老いて行く女優
達の顏!これらがやがて
色もなく
香もなくなつていつた時には
一體どうなるのでせう? それはたとひ、
虚榮に
誤られたその
不明が
一體、これには、きざみ
葱、たうがらし、
大根おろしと
言ふ、
前栽のつはものの
立派な
加勢が
要るのだけれど、どれも
生だから
私はこまる。
また
瓦は
一體に
大へん
大きく、
今日の
瓦の
二倍くらゐもあります。またその
竝べ
方も
今日とは
少し
違つてをりました。
「ありや
一體何をする
男なんだい」と
宗助が
聞いた。
此問は
今迄も
幾度か
御米に
向つて
繰り
返されたものであつた。
いよ/\
探險とは
决心したものゝ、
實は
薄氣味惡い
事で、
一體物音の
主も
分らず、また
行く
道にはどんな
災難が
生ずるかも
分らぬので、
私は
萬一の
塲合を
慮つて、
例の
端艇をば
波打際にシカと
繋止め
尚ほ
其の
人が、
嘗て
修學旅行をした
時、
奈良の
然る
尼寺の
尼さんに
三體授けられたと
云ふ。
其の
中から
一體私に
分けられた
阿羅漢の
像がある。
「
兄さん、
佐伯の
方は
一體どうなるんでせう。
先刻姉さんから
聞いたら、
今日手紙を
出して
下すつたさうですが」
一體貝類は
動物中で
比較的早く
形を
變へやすいものでして、
蜆でも
昔のものは
今日よりは
形も
大きかつたのです。
一體誰彼といふ
中に、さし
急いだ
旅なれば、
註文は
間に
合ず、
殊に
少い
婦人なり。うつかりしたものも
連れられねば、
供さして
遣られもせぬ。
一體あの
邊には、
自動車か
何かで、
美人が
一日がけと
云ふ
遊山宿、
乃至、
温泉のやうなものでも
有るのか、
何うか、
其の
後まだ
尋ねて
見ません。
一體、
水と
云ふものは、
一雫の
中にも
河童が
一個居て
住むと
云ふ
國が
有りますくらゐ、
氣心の
知れないものです。
一體、
散々の
不首尾たら/″\、
前世の
業ででもあるやうで、
申すも
憚つて
控へたが、もう
默つては
居られない。たしか
横濱あたりであつたらうと
思ふ。
「
一體何處の
兒でございませう。
方角も
何も
分らなくなつたんだよ。
仕樣がないことね、ねえ、お
前さん。」
丁告之以故。——
却説、
一體此處は
何處だ、と
聞くと、
冥土、と
答へて、
私は
亡き
後、
閻魔王の
足輕、
牛頭鬼のために
娶られて、
今は
其の
妻と
成つた、と
告げた。
此の
勢に
乘つて、
私は
夢中で
駈上つて、
懷中電燈の
燈を
借りて、
戸袋の
棚から、
觀世音の
塑像を
一體、
懷中し、
机の
下を、
壁土の
中を
探つて、なき
父が
彫つてくれた
右に
一體、
牛頭、
馬頭の、あの、
誰方も
御存じの——
誰が
御存じなものですか——
牛頭の
鬼の
像があつたが、
砂埃に
塗れた
上へ、
顏を
半分、べたりとしやぼんを
流したやうに
さも
無ければ
那樣ことを
恐がると
云ふ
理窟がないて。
一體お
前さんに
限らず、
乘合の
方々も
又然うぢや、
初手から
然ほど
生命が
危險だと
思ツたら、
船なんぞに
乘らぬが
可いて。
私は
一體京都の
者で、
毎度此の
金澤から
越中の
方へ
出懸けるが、一
度ある
事は二
度とやら、
船で(
一人坊主)になつて、
乘合の
衆に
嫌はれるのは
今度がこれで二
度目でござる。
一體、
此の
若旦那は、
邸の
河下三里ばかりの
處に、
流に
臨んだ
別業があるのを、
元來色好める
男子、
婦人の
張氏美而妬なりと
云ふので、
浮氣をする
隱場處にして、
其の
別業へ
一體は、すぐにも
燒いて
了ふ
筈なんですが、
生憎、
何處の
停車場にも
暖爐の
無い
時分、
茶屋小屋の
火鉢で
香はすと、
裂いた
一端も
燒切らないうちに、
嗅ぎつけられて、
怪しまれて
そ、それが
五分と
間がない、
目も
鼻も
口も
一所に、
僕の
顏とぴつたりと
附着きました、——あなたのお
住居の
時分から
怪猫が
居たんでせうか……
一體猫が
大嫌ひで、いえ
可恐いので。
一體が、
一寸手先で、
障子の
破穴の
樣な
顏を
撫でる、
額の
白い
洒落もので。……
……
一體大すきなのだが、
些とも
鳴かない。
殆どひと
聲も
聞えないのである。
一體童謠を
收録するのに、なまりを
正したり、
當推量の
註釋は
大の
禁物なり。
「お
柳、」と
思はず
抱占めた
時は、
淺黄の
手絡と、
雪なす
頸が、
鮮やかに、
狹霧の
中に
描かれたが、
見る/\、
色があせて、
薄くなつて、ぼんやりして、
一體に
墨のやうになつて、やがて
一體三間ばかりの
棟割長屋に、
八疊も、
京間で
廣々として、
柱に
唐草彫の
釘かくしなどがあらうと
言ふ、
書院づくりの
一座敷を、
無理に
附着けて、
屋賃をお
邸なみにしたのであるから、
天井は
高いが
「
裏の
此の
山一體を
然う
云ふんださうです。」
「
一體、
其が
何うしたんです。」