“蜆”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しじみ82.4%
しゞみ17.6%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
だるい身体をもてあましながら、家へ戻ってくると、彼は長者門をくぐって、白木の方へ降りてゆき、明日からしじみをすこし譲って呉れと頼みこんだ。
黄色い日日 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
今其遡行の大略を記して見ると、欅平で祖母谷林道と分れ、黒部本流の左岸に沿うてしじみ谷に至り、蜆坂の険を上ると対岸に奥鐘釣山の大絶壁が見える。
黒部峡谷 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
「なぜまたしじみを売らないだろう。」と置炬燵おきごたつで、白魚鍋しらおなべでもつつかれてみろ、畜生! 吹雪に倒るればといって
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
従弟いとこは自分のために、この川へ硝子罎ガラスびんを沈めてはやを取ったり、ざるを持ち出してしじみを拾ったりしてくれた。
由布院行 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
内ン中のあわびッ貝、外へ出りゃしじみッ貝、と友達にはやされて、私は悔しがってく泣いたッけが、併し全く其通りであった。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
そのきらひなのは先生せんせい所謂いはゆるしゞみきらひなのではなくて、しゞみきらはれたものでなければならない。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
遠江とほたふみ蜆塚しゞみづかなどはその一例いちれいで、しゞみ貝殼かひがらなどがあるので、こんながつけられたのです。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
ホヽいやだよ此人このひとは、しゞみかひごとべてさ……あれさお刺身さしみをおかつこみでないよ。
心眼 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
小僧は笊に殘つてゐたすこしばかりのしゞみを、河の中へ底を叩いてあけてしまつた。
佃のわたし (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
困らせる處か、お峰聞いて呉れ、歳は八つなれど身躰も大きし力もある、わしが寐てからは稼ぎなしの費用いりめは重なる、四苦八苦見かねたやら、表の鹽物やが野郎と一處に、しゞみを買ひ出しては足の及ぶだけ擔ぎ廻り
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)