“鱚”の読み方と例文
読み方割合
きす100.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
明けがたには、ひとさかぼらが釣れる。すこし陽が出てからは、きす釣り舟が、笹の葉をいたように、釣竿をならべて、糸をあげていた。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
此の前、きすの時に、僕の品匡しなばこを忘れられて、腹が立って立って堪らんから、そのまま漕ぎ戻らせて仕舞ったこと有ったが。
大利根の大物釣 (新字新仮名) / 石井研堂(著)
甘鯛、いとより鯛、魴鮄ほうぼうの濡れて艶々つやつやしたのに、青い魚が入交って、きす飴色あめいろが黄に目立つ。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
今日も一日雨だった、少し肌寒い位だ、今は十時である、裏のごったく屋では今まで東京からきす釣りに来た客共が騒いでいた。
かれいあじきす烏賊いかたこ、カサゴ、アイナメ、ソイ、平目、小松魚、サバ、ボラ、メナダ、太刀魚たちうお、ベラ、イシモチ、その他所によつて
日本の釣技 (新字旧仮名) / 佐藤惣之助(著)
むかし釣好きの江戸つ児がきすを釣りに品川沖へ出た。ちやうど鱚釣に打つてつけの日和で、獲物も大分だいぶんあつたので、船のなかで持つて来た酒など取り出して少し飲んだ。
新郎の母者人が「ドウカお吸物すいものを」との挨拶あいさつが無い前に、勝手に吸物すいものわんの蓋をとって、きすのムスビは残して松蕈まつだけとミツバばかり食った。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
「石川屋の主人を怨む者なんかありやしません。若しあつたとしたら、小名木をなぎ川のきす位のもので」