“撒”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
96.0%
1.3%
さっ0.7%
さん0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
はら0.2%
まか0.2%
まき0.2%
0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ボヘメヤ硝子ガラス色のサーチライトが、空気よりも軽く、淋しい、水か硝子のように当てどもなく、そこはかとなくき散らされていた。
髪切虫 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
衣をしずかに脱いでいる場面と、まさに断崖に手をって、中空にまっさかさまに身をおどらせている姿がそこに描かれているのであります。
日本の美 (新字新仮名) / 中井正一(著)
一たび懸崖けんがいに手をさっして絶後に蘇った者でなければこれを知ることはできぬ、即ち深く愚禿の愚禿たる所以ゆえんを味い得たもののみこれを知ることができるのである。
愚禿親鸞 (新字新仮名) / 西田幾多郎(著)
それからその死骸を丸裸体はだかにして肢体を整え、香華こうげさん神符しんぷを焼き、屍鬼しきはらい去った呉青秀は、やがて紙をべ、丹青たんせいを按配しつつ、畢生ひっせいの心血を注いで極彩色の写生を始めた
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
水をつた床の上にコンデンスド・ミルクの広告の散らかつてゐることも変りはない。が、あのすがめの主人の代りに勘定台の後ろに坐つてゐるのは西洋髪につた女である。年はやつと十九位であらう。
あばばばば (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
さア/\此薬これをおつけ……此薬これはなよろひそでというて、なか/\売買ばいかひにないくすりだ……ちよいと其処それへ足をおし、けてるから…。乞「はい/\有難ありがたぞんじます。 ...
私は暫らく居てイボギンヌを促がして帰ってねむりました。帰途イボギンヌにあの大砲で雲がった事があるのかと尋ねて見たら、まれに火薬の破裂で濃い雲が散った事があるそうです。
母と娘 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
迎風撒紙牖 風を迎へて紙牖をはら
閉戸閑詠 (新字旧仮名) / 河上肇(著)
侍童 御方おんかたはかまかうとてはなってわせられました。とほくへはなれてゐいとおほせられましたゆゑ、わたくしはさやういたしました。
かの女は「闇中あんちゅう金屑かなくずを踏む」といふ東洋の哲人の綺麗きれいな詩句を思ひ出し、秘密で高踏的な気持ちで、粒々の花のまきものを踏み越した。そして葉の緻密ちみつ紫葳のうぜんかずらのアーチを抜けた。
夏の夜の夢 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
村の者が江戸の大尽でえじんだか知んねえけんど、えれえもんだ、田舎には沢山たんとねえ法事だっけッて、村のわけえもんや子供をばって餅いえたり、銭い撒えたりして、坊さまを夥多えら呼んで、てえした法事だって
まだオホヤケの供養もすまぬのに、人の口はうるさいほど、頻繁に流説をふりいてゐた。あの多聞天と、広目天との顔つきに、思ひ当るものがないか、と言ふのであつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)