“夥多”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あまた32.5%
おびただ29.9%
かた15.6%
おびたゞ9.1%
おびただし2.6%
おほぜい1.3%
みつしら1.3%
えら1.3%
おびたゞし1.3%
くわた1.3%
したたか1.3%
したゝか1.3%
しつかり1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
血だらけ、白粉おしろいだらけ、手足、顔だらけ。刺戟の強い色を競った、夥多あまたの看板の中にも、そのくらい目を引いたのは無かったと思う。
革鞄の怪 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
神職 言語ごんご道断、ただごとでない、一方ひとかたならぬ、夥多おびただしい怪異じゃ。したたかな邪気じゃ。何が、おのれ、何が、ほうほう……
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
彼等は数字の上に数字を重ね自殺、罪悪、飲酒、疾病等による死亡数は既婚者より未婚者の場合に於て遙かに夥多かたであるといふことを例証せんとしてゐる。
恋愛と道徳 (新字旧仮名) / エレン・ケイ(著)
折くべ居る時しも此方の納戸なんど共覺しき所にて何者やらん夥多おびたゞしく身悶みもだえして苦しむ音の聞ゆるにぞ友次郎はきもつぶし何事成んと耳を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
この月二十日の修善寺の、あの大師講の時ですがね、——お宅のそば虎渓橋こけいばし正面の寺の石段の真中まんなかへ——夥多おびただし参詣さんけいだから、上下うえした仕切しきりがつきましょう。
半島一奇抄 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
見るより夥多おほぜい和女おまへとなりの事といひ常から親しくなさるゝゆゑ彼所あすこの事は御存じだらうが今日けふ是々と結納を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
んなものでよけりや、夥多みつしらやつておくんなせえ、まあだあとにもりやんすから」うち女房にようばうしほたかとおもやうしろつぽい馬鈴薯じやがたらいもおほきなさらぜんせて二處ふたとこいた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
村の者が江戸の大尽でえじんだか知んねえけんど、えれえもんだ、田舎には沢山たんとねえ法事だっけッて、村のわけえもんや子供をばって餅いえたり、銭い撒えたりして、坊さまを夥多えら呼んで、てえした法事だって
あけて見るに絹布けんぷ木綿もめん夜具やぐ夥多おびたゞし積上つみあげてあり鴨居かもゐの上には枕のかず凡そ四十ばかりも有んと思はれます/\不審ふしん住家すみかなりと吉兵衞はあやしみながらも押入おしいれより夜具取出して次の間へこそふしたりける
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
その身をあまりに夥多くわたなる液汁に包む。
象徴の烏賊 (新字旧仮名) / 生田春月(著)
と南さんは戸棚の中から夥多したたかり出して来て
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
おのれが手に塗付ぬりつけ笈笠おひがさへ手の跡を幾許いくつとなくなすり付又餞別にもらひし襦袢じゆばん風呂敷ふろしきへも血を塗てたる衣服いふくの所々を切裂きりさきこれへも血を夥多したゝか塗付ぬりつけたれが見ても盜賊たうぞくに切殺れたるていこしらへ扨犬の死骸しがいおもり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「さうだつけかな、それでも唐箕たうみつよてたつもりなんだがなよ、今年ことしあか夥多しつかりだが磨臼するすかたもどういふもんだかわりいんだよ」とおしなすこうごかして分疏いひわけするやうにいつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)