“したたか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
20.0%
十分20.0%
多量20.0%
夥多20.0%
20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一月十七日なる感はいとはげしく動きて、宮は降頻ふりしきる雪に或言あることばを聴くが如くたたずめり。折から唯継は還来かへりきたりぬ。静にけたるドアの響はしたたかに物思へる宮の耳にはらざりき。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
奉公大事ゆゑにうらみを結びて、憂き目にひし貫一は、夫のわざはひを転じて身のあだとせし可憫あはれさを、日頃の手柄に増して浸々しみじみ難有ありがたく、かれをおもひ、これを思ひて、したたかに心弱くのみ成行くほどに
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
あすここそ頂上に相違ないと、余りの嬉しさに周章あわてたものか、吾輩は巌角いわかどから足踏み滑らして十分したたか向脛むこうずねを打った。
本州横断 癇癪徒歩旅行 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
「流すにも何にもハンボン・エッキスちうて欝紺色うこんいろのネバネバした涎をば多量したたかに流す」
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
と南さんは戸棚の中から夥多したたかり出して来て
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
いでや、彼はくるしみてその長きひげをばしたたかひねりつ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)