“したた”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
認48.7%
滴35.3%
強10.9%
点滴1.2%
夥0.8%
滴垂0.5%
垂0.5%
瀝0.5%
痛0.3%
下滴0.3%
健0.3%
絶0.2%
喫0.2%
垂下0.2%
滴点0.2%
食0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と細字(さいじ)に認(したた)めた行燈(あんどん)をくるりと廻す。綱が禁札、ト捧げた体(てい)で、芳原被(よしわらかぶ)りの若いもの。別に絣(かすり)の羽織を着たのが、板本を抱えて彳(たたず)む。
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そしてその椰子に覆われた鳶色(とびいろ)の岩から、一条の水が銀の糸のように滴(したた)って、それが椰子の根元で、小さい泉になっているのを見た。
俊寛 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
四十前後の強(したた)かな感じのする武家で、甲府勤番は閑職には違いないが、それでも役について、二千両を送る誇りにハチ切れそうです。
ここに休む内に、怪しき気のこと、点滴(したた)る血の事、就中(なかんずく)、姫の数の幻に一人多い事が、いつとなく、伝えられて、烈(はげ)しく女どもの気を打った。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と野崎君は小突き/\論判して、柿を夥(したた)かせしめた。決して善良な遣口(やりくち)でない。こんな具合だったから、学園の生徒は近隣の農家に兎角評判が悪かった。
凡人伝 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
この娘はそれ程稀(まれ)な美人というのではないかも知れない。只薄紅の顔がつやつやと露が垂(したた)るようで、ぱっちりした目に形容の出来ない愛敬がある。洗髪を島田に結っていて、赤い物なぞは掛けない。
ヰタ・セクスアリス (新字新仮名) / 森鴎外(著)
まして伊達政宗が連年血を流し汗を瀝(したた)らして切取った上に拠ったところの地で、いやいやながら差出したところであり、人情として涎(よだれ)を垂らし頤(あご)を朶(た)れて居るところである
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
何物か私の面(かお)の上に覆(かぶ)さったようで、暖かな息が微かに頬に触れ、「憎らしいよ!」と笑を含んだ小声が耳元でするより早く、夜着の上に投出していた二の腕を痛(したた)か抓(つね)られた時
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
岩膚の岱赭に蒼む色見れば斑雪(はだれ)の雪解(ゆきげ)下滴(したた)りにけり
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ニキタはぱッと戸(と)を開(あ)けるより、阿修羅王(あしゅらおう)の荒(あ)れたる如(ごと)く、両手(りょうて)と膝(ひざ)でアンドレイ、エヒミチを突飛(つきとば)し、骨(ほね)も砕(くだ)けよとその鉄拳(てっけん)を真向(まっこう)に、健(したた)か彼(かれ)の顔(かお)を敲(たた)き据(す)えた。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
油断せる貫一が左の高頬(たかほ)を平手打に絶(したた)か吃(くらは)すれば、呀(あ)と両手に痛を抑(おさ)へて、少時(しばし)は顔も得挙(えあ)げざりき。蒲田はやうやう座に復(かえ)りて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「お忘れあそばすな」と言ふさへに力籠(ちからこも)りて、その太股(ふともも)を絶(したた)か撮(つめ)れば、貫一は不意の痛に覆(くつがへ)らんとするを支へつつ横様(よこさま)に振払ふを、満枝は早くも身を開きて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
翌暁(あくるあさ)小樽に着く迄は、腰下す席もない混雑で、私は一夜(ひとばん)車室の隅に立ち明した。小樽で下車して、姉の家で朝飯を喫(したた)め、三時間許りも仮寝(うたたね)をしてからまた車中の人となつた。
札幌 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
牝馬(めすうま)の腹に獣骨の管を挿入(さしい)れ、奴隷(どれい)にこれを吹(ふ)かせて乳を垂下(したた)らせる古来の奇法(きほう)が伝えられている。
狐憑 (新字新仮名) / 中島敦(著)
のみならず、会心の男が出来て、これはと思うその胸へ、グザと刃(やいば)を描いて刺す時、膚を当てると、鮮紅(からくれない)の露を絞って、生血(いきち)の雫(しずく)が滴点(したた)ると言います。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そこそこに食(したた)めて煙草(たばこ)を飲む、茶代をはずみ宿賃を払い門口の気勢(けはい)に耳を澄ますと「お立ち」という大勢の声。
大鵬のゆくえ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)