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絶
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したた
油断せる貫一が左の
高頬を平手打に
絶か
吃すれば、
呀と両手に痛を
抑へて、
少時は顔も
得挙げざりき。蒲田はやうやう座に
復りて
「お忘れあそばすな」と言ふさへに
力籠りて、その
太股を
絶か
撮れば、貫一は不意の痛に
覆らんとするを支へつつ
横様に振払ふを、満枝は早くも身を開きて
彼に心を寄せし
輩は皆彼が
夜深の
帰途の程を
気遣ひて、我
願くは
何処までも送らんと、
絶か
念ひに念ひけれど、彼等の
深切は無用にも、宮の帰る時一人の男附添ひたり。