“吃”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ども72.2%
きっ11.3%
どもり4.0%
きつ3.2%
2.4%
どんも1.2%
くら0.8%
チー0.4%
くは0.4%
0.4%
0.4%
くらは0.4%
くらわ0.4%
しぶ0.4%
しゃく0.4%
0.4%
どもっ0.4%
はま0.4%
ふか0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「これは旦那、どうもあの」馬子は眼をまるくしてどもった、「——どうもその、とんでもねえこって、どうかひとつ、なにぶんとも」
雪の上の霜 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
が、主従しゅうじゅうともに一驚いっきょうきっしたのは、其の首のない胴躯どうむくろが、一煽ひとあおり鞍にあおるとひとしく、青牛せいぎゅうあしはやく成つてさっ駈出かけだした事である。
雨ばけ (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
こんなときの正成は、悪い方の右眼のまぶたに、かろい痙攣けいれんの風を示すのだった。どもりがその感情のつかえを、唇に見せる、あれと似ている。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
七椀きつし得ざるにまたただ覚ゆ両腋りょうえき習々清風の生ずるを。蓬莱山ほうらいさんはいずくにかある 玉川子ぎょくせんしこの清風に乗じて帰りなんと欲す(一七)
茶の本:04 茶の本 (新字新仮名) / 岡倉天心岡倉覚三(著)
大立廻りをするうちくだんの名馬城将に殺されベヴィスまた城将を殺し、その妻が持ち出す膳をその妻に毒味せしめて後鱈腹たらふくうて去ったという。
根生こんじやうまがりの、ひねつこびれの、どんもりの、はッかけの、嫌やな奴め、這入つて來たら散々といぢめてやる物を、歸つたは惜しい事をした、どれ下駄をお貸し、一寸見てやる
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
私が酒が飲めたら自暴酒やけざけでもくらつて、からだこはして、それきりに成つたのかも知れませんけれど、酒はかず、腹を切る勇気は無し、究竟つまりは意気地の無いところから
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
これには色々な場合があるが、一番簡単なものでは「チー」と懸け声をして置いて、不用の牌を一枚すてる。
麻雀インチキ物語 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「弱つた! 君がああして取緊とつちめてくれたのは可いが、この返報に那奴あいつどんな事を為るか知れん。明日あしたあたり突然どん差押さしおさへなどをくはせられたらたまらんな」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
もっともらしく眉を上げてっとなってみたり、あるいは全くの不良青少年のように、ひゅうひゅう下手な口笛をこころみたりなどして歩いているうちに、どしんと
愛と美について (新字新仮名) / 太宰治(著)
油断せる貫一が左の高頬たかほを平手打にしたたくらはすれば、と両手に痛をおさへて、少時しばしは顔も得挙えあげざりき。蒲田はやうやう座にかえりて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
その友はかれそびら一撃いちげきくらわして
取舵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
長絹はその性、これに触るるものに纏縛てんばくし、相手の力をしぶらせ、しびらせ、焦慮させる技能がある。
阿難と呪術師の娘 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
娘はそういうとなおしゃくり泣いて、父の肩にかけた手にちからを込めて、抱きついた。が、眠元朗は娘がそう遣ったときから、忘失してしまったようにからだ全体に重々しいるい悲哀をかんじた。
みずうみ (新字新仮名) / 室生犀星(著)
佐「蒲田かまだ、君は好いたばこつてゐるぢやないか、一本頂戴ちようだい
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
仮令たとい舌足らずでどもった所が意味は通ずると云うようなものだなんて大造たいそうな剣幕で、先生から教込おしえこまれたから、私共も山陽外史の事をば軽く見て居ました。白石しらいし先生ばかりでない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
白糸は猿轡さるぐつわはまされて、手取り足取り地上に推し伏せられつ。されども渠は絶えず身をもだえて、えさんとしたりしなり。にわかに渠らの力はゆるみぬ。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
先づ衣桁いこうに在りける褞袍どてらかつぎ、夕冷ゆふびえの火もこひしく引寄せてたばこふかしゐれば、天地しづか石走いはばしる水の響、こずゑを渡る風の声、颯々淙々さつさつそうそうと鳴りて、幽なること太古の如し。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)