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吃
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きっ
ふりがな文庫
“
吃
(
きっ
)” の例文
が、
主従
(
しゅうじゅう
)
ともに
一驚
(
いっきょう
)
を
吃
(
きっ
)
したのは、其の首のない
胴躯
(
どうむくろ
)
が、
一煽
(
ひとあお
)
り鞍に
煽
(
あお
)
ると
斉
(
ひと
)
しく、
青牛
(
せいぎゅう
)
の
脚
(
あし
)
が
疾
(
はや
)
く成つて
颯
(
さっ
)
と
駈出
(
かけだ
)
した事である。
雨ばけ
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
叔父
(
おじ
)
にさえあさましき
難題
(
なんだい
)
云い
掛
(
かけ
)
らるゝ世の中に赤の他人で
是
(
これ
)
ほどの
仁
(
なさけ
)
、胸に
堪
(
こた
)
えてぞっとする程
嬉
(
うれ
)
し悲しく、
咽
(
む
)
せ返りながら、
吃
(
きっ
)
と思いかえして
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
パノラマ国の旅人は、様々の奇怪な景色の後で、この思いも
設
(
もう
)
けぬ眺望に、又しても一驚を
吃
(
きっ
)
しなければなりません。
パノラマ島綺譚
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
それを
覗
(
のぞ
)
き込もうとすると、墓と墓との間の丈なす
尾花
(
おばな
)
苅萱
(
かるかや
)
の間から、一人の女性が現われて、その覆面の中から、凄い目をして、
吃
(
きっ
)
と兵馬を
睨
(
にら
)
みつけて
大菩薩峠:41 椰子林の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
ここまで黙って聞いていた平次は、ようやく謎を解く鍵を掴んだように、
吃
(
きっ
)
とした顔を上げました。
銭形平次捕物控:026 綾吉殺し
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
頃刻
(
しばらく
)
して夫帰り、午飯を
吃
(
きっ
)
した後、妻が夫を悦ばしょうと自室に入り見るに銀なし。どこへ持って行ったかと問うに夫は何の事か分らず、銀を取った覚えなしという。
十二支考:11 鼠に関する民俗と信念
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
その身支度を見ていると、いつのまに持って来てあったのか、黒の男小袖に薄木綿の
膝行袴
(
たっつけ
)
を穿き、同じ黒の頭巾を
眉深
(
まぶか
)
にかぶって大小を差して行く様子ですから、先生も一驚を
吃
(
きっ
)
して
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鼻の
隆
(
たか
)
い、眼の
碧
(
あお
)
い、そして髪の毛が亜麻色をした、我々と何ら異なったところのない欧州人であったが、その服装の変っていることには、まったく一驚を
吃
(
きっ
)
せずにはいられなかったのであった。
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
小次郎法師は、別に心にも留めなかったが、不意の笑声に一驚を
吃
(
きっ
)
して、和郎の顔と、折敷の団子を見
較
(
くら
)
べた。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そして、其処に如何にも巧妙なトリックの
弄
(
ろう
)
せられて居ることを発見して、
一驚
(
いっきょう
)
を
吃
(
きっ
)
したのである。
一枚の切符
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
お雪は
吃
(
きっ
)
と正面を切るのです。十三夜の良い月が、中天に近くなった頃でもあり、血が見えなくたって——と言った、反抗的な色がこの小娘の顔にありありと浮かぶのでした。
銭形平次捕物控:241 人違い殺人
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
室内は
寂然
(
ひっそり
)
した。彼の言は、
明晰
(
めいせき
)
に、口
吃
(
きっ
)
しつつも
流暢
(
りゅうちょう
)
沈着であった。この独白に対して、汽車の
轟
(
とどろき
)
は、一種のオオケストラを聞くがごときものであった。
革鞄の怪
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そして何気なくその中味を取り出して見た時、私達は更に一驚を
吃
(
きっ
)
しないではいられませんでした。
湖畔亭事件
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
娘は
吃
(
きっ
)
と身構えました。が、この醜い魚は最早起き上る力も尽きた様子です。
奇談クラブ〔戦後版〕:10 暴君の死
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
全く鏡を見なすった時に、はッと我に返って、もう悪所には来まいという、
吃
(
きっ
)
とした心になったのじゃげな。
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
万七は、植幸の親爺の困惑し切った顔を
吃
(
きっ
)
と見据えました。
銭形平次捕物控:026 綾吉殺し
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
まさしくその人と思うのが、
近々
(
ちかぢか
)
と顔を会わせながら、すっと外らして窓から雨の空を
視
(
み
)
た、取っても附けない、赤の他人らしい処置
振
(
ぶり
)
に、一驚を
吃
(
きっ
)
したのである。
売色鴨南蛮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お鶴は思わず
吃
(
きっ
)
となりました。
銭形平次捕物控:010 七人の花嫁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
いや、恐縮ですが、また、さほど大した御容体でもなかったと見えまして、貴下が、こっちへ御入院という事は、まったく、
今朝
(
けさ
)
はじめて聞いて一驚を
吃
(
きっ
)
しました。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お鶴は思わず
吃
(
きっ
)
となりました。
銭形平次捕物控:010 七人の花嫁
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
傍
(
かたわら
)
にならんだのとそっくりなのに、聾桟敷一驚を
吃
(
きっ
)
する処に、一度姿を消した舞妓が一人、小走りに駆け戻るのと、花道の、七三とかいうあたりで、ひったり出会う。
白花の朝顔
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
平次は
吃
(
きっ
)
と見上げました。
銭形平次捕物控:131 駕籠の行方
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
従って——
郡
(
こおり
)
多津吉も、これに不意を打たれたのだと、さぞ一驚を
吃
(
きっ
)
したであろうと思う。
ピストルの使い方:――(前題――楊弓)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
博士は
吃
(
きっ
)
となりました。
音波の殺人
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
仏蘭西
(
フランス
)
からと、
伊太利
(
イタリイ
)
、それから
白耳義
(
ベルギイ
)
と
西班牙
(
スペイン
)
から、公私おのおのその持ぬしから、おなじ事を求めて、一度ずつ瓜を返したのには、小山夏吉も舌をまいて一驚を
吃
(
きっ
)
したそうである。
河伯令嬢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
欣弥 (顔を上げながら、万感胸に
交々
(
こもごも
)
、口
吃
(
きっ
)
し、もの云うあたわず。)
錦染滝白糸:――其一幕――
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
聞くものは
一驚
(
いっきょう
)
を
吃
(
きっ
)
した。菜の花に見た蛇のそれより。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
白糸はまず二服を
吃
(
きっ
)
して、三服目を馭者に
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
彼は口
吃
(
きっ
)
しつつ
目瞬
(
またたき
)
した。
革鞄の怪
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
葛木は
吃
(
きっ
)
と見る。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
吃
漢検準1級
部首:⼝
6画
“吃”を含む語句
吃驚
吃逆
泣吃逆
吃々
逆吃
吃水
吃度
口吃
吃音
吃又
吃水線
吃驚仰天
吃者
泣逆吃
咄吃
吃驚敗亡
目潰吃
吃飯
訥吃
吃竹
...