“寂然”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
せきぜん22.1%
ひっそり22.1%
じゃくねん21.1%
しん20.1%
ひつそり4.9%
じやくねん3.4%
しいん2.0%
じゃくぜん1.5%
ひっそ0.5%
じっ0.5%
さびしく0.5%
しーん0.5%
じやくぜん0.5%
ひつそ0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ひとつしない、寂然としたへやのうちにすわっていると、ブ、ブーッという障子れをらすだけが、きこえていました。
深山の秋 (新字新仮名) / 小川未明(著)
家内が珍らしくも寂然としているので細川は少し不審に思いつつ坐敷に通ると、先生の居間の次ぎの間に梅子が一人裁縫をしていた。
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
と——二人がことばもなく、寂然と、坐り合って、花世の帰るのを待っていると、二間ほど隔てた奥ので、人のばらいが聞えた。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
寂然として、は目をって聞入った旅僧は、夢ならぬ顔を上げて、葭簀から街道の前後めたが、日脚を仰ぐまでもない。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「溶けたツて、此方の眼じアあるまいし、餘計なおせつかいだわ。」と輕く投出すやうに謂ツた。かと思ふと海酸漿を鳴らす音がする。後はまた寂然する。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
この風雨のじい音の中に、この洪水のやうになつた大破した堂宇の中に、本尊の如来仏寂然として手を合せて立つてゐられるのである。
ある僧の奇蹟 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
海の底のように寂然としたなかで、藤吉の声だけが筒抜けに響く。はらはらした提灯屋が思わず袖を引いた。
しばらくすると、それが、みんな人間になってえるのでした。寂然として、ものこそいわないが、永遠真実正義とをめている。
少女と老兵士 (新字新仮名) / 小川未明(著)
囃子の音寂然となりぬ。粛然として身を返して、三の松を過ぎると見えし、くるりといたる揚幕に吸わるるごとく舞込みたり
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
昨日……たしか昨日と思うが、を負ってからう一昼夜、こうして二昼夜三昼夜とつ内には死ぬ。何のくれ、死は一ツだ。寂然としていた方がい。身動がならぬなら、せんでもい。
四辺寂然ひそまり返り、諸所波止場船渠の中に繋纜りしている商船などの、マストや舷頭にされている眠そうな青い光芒も、今は光さえ弱って見えた。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
床の上へ起き直ッて耳をして見ると、家内は寂然としていて、の音が聞えるばかり……自分はしばらく身動かしもせず、黙然としていたが,ふと甲夜に聞いたことを思い出して
初恋 (新字新仮名) / 矢崎嵯峨の舎(著)
はた袈裟かづらをけて、月影け、んで、寂然としてち、また趺坐なされた。
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
わめき散らして立去りたる後は、家内寂然として物音もせず。
心の鬼 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)