“趺坐”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ふざ77.8%
あぐら22.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その大いなる趺坐ふざ僧の姿は、山寨さんさいを構へて妖術を使ふ蝦蟇のやうに物々しく取澄して、とりつく島もない思ひをさせた。
閑山 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
やがて、近づく道誉の姿を見つけると、具行は、青芒あおすすきそよぎの中で、ただ一つのそよがない趺坐ふざ石仏せきぶつのごとく、硬直して、きっと相手をにらまえていた。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
其れに切腹の場に立会ふ立烏帽子たてゑぼしを着た二人の勅使が「勅使」を前にてさせて臨場し、草鞋穿わらぢばきまゝ上段の趺坐あぐらを掻き
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
そこの濱邊に十掬とつかの劒を拔いて逆さまに刺し立て、その劒の前に趺坐あぐらをかいて、國讓りの談判を迫られたといふ時、大國主の神がひそかに使者を小舟に乘せて助言を求めたのも
山陰土産 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)