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寂然
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ひつそり
ふりがな文庫
“
寂然
(
ひつそり
)” の例文
「溶けたツて、
此方
(
こつち
)
の眼じアあるまいし、
餘計
(
よけい
)
なおせつかいだわ。」と輕く投出すやうに謂ツた。かと思ふと
海酸漿
(
うみほゝづき
)
を鳴らす音がする。後はまた
寂然
(
ひつそり
)
する。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
四家町は
寂然
(
ひつそり
)
として、唯一軒理髮床の硝子戸に
燈光
(
あかり
)
が射し、中から話聲が洩れたので、此處も人間の世界だなと氣の付く程であつた。間もなく花屋町に入つた。
葬列
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
程
(
ほど
)
なく
寂然
(
ひつそり
)
として
寝
(
ね
)
に
着
(
つ
)
きさうだから、
汽車
(
きしや
)
の
中
(
なか
)
でもくれ/″\いつたのは
此処
(
こゝ
)
のこと、
私
(
わたし
)
は
夜
(
よ
)
が
更
(
ふ
)
けるまで
寐
(
ね
)
ることが
出来
(
でき
)
ない、あはれと
思
(
おも
)
つて
最
(
も
)
う
暫
(
しばら
)
くつきあつて
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ただ
寂然
(
ひつそり
)
と、
無言
(
むごん
)
の
畑の祭
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
四家町
(
よつやちやう
)
は
寂然
(
ひつそり
)
として、唯一軒理髪床の硝子戸に
燈光
(
あかり
)
が射し、中から話声が洩れたので、此処も人間の世界だなと気の付く程であつた。間もなく花屋町に入つた。
葬列
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
▼ もっと見る
釵
(
かんざし
)
の
搖
(
ゆら
)
ぐ
氣勢
(
けはひ
)
は、
彼方
(
あちら
)
に、お
孃
(
ぢやう
)
さんの
方
(
はう
)
にして……
卓子
(
テエブル
)
の
其
(
そ
)
の
周圍
(
まはり
)
は、
却
(
かへ
)
つて
寂然
(
ひつそり
)
となりました。
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
室が
寂然
(
ひつそり
)
してゐるので、
時計
(
とけい
)
の時を
刻
(
きざ
)
む
音
(
おと
)
が自分の
脈膊
(
みやくはく
)
と
巧
(
うま
)
く
拍子
(
ひやうし
)
を取つてハツキリ胸に通ふ。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
「りんよ、りんよ、
權平
(
ごんぺい
)
、
權平
(
ごんぺい
)
よ、りんよ、
權平
(
ごんぺい
)
。
刀
(
かたな
)
を
寄越
(
よこ
)
せ、
刀
(
かたな
)
を
寄越
(
よこ
)
せ、
刀
(
かたな
)
を。」と
喚
(
よび
)
かけたが、
權平
(
ごんぺい
)
も、りんも、
寂然
(
ひつそり
)
して
音
(
おと
)
も
立
(
た
)
てない。
誰
(
たれ
)
が
敢
(
あへ
)
て
此處
(
こゝ
)
へ
切
(
きれ
)
ものを
持出
(
もちだ
)
すものか。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
遠くで鷄の聲の聞えた許り、神寂びた宮居は
寂然
(
ひつそり
)
として居る。
周匝
(
あたり
)
にひゞく駒下駄の音を
石甃
(
いしだゝみ
)
に刻み乍ら、拜殿の前近く進んで、自分は圖らずも懷かしい舊知己の立つて居るのに氣付いた。
葬列
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
室内は、
寂然
(
ひつそり
)
靜返ツてゐた。
解剖室
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
遠くで鶏の声の聞えた許り、神寂びた宮居は
寂然
(
ひつそり
)
として居る。
周匝
(
あたり
)
にひびく駒下駄の音を石甃に刻み乍ら、拝殿の前近く進んで、自分は図らずも懐かしい旧知己の立つて居るのに気付いた。
葬列
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
まるつ
切
(
きり
)
、
聲
(
こゑ
)
が……
否
(
いや
)
、
四邊
(
あたり
)
は
寂然
(
ひつそり
)
して、ものの
音
(
おと
)
も
聞
(
きこ
)
えない。
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
古
(
むかし
)
の
本陣
(
ほんぢん
)
と
云
(
い
)
ふ
構
(
かま
)
への
大
(
おほ
)
きな
建
(
たて
)
ものは、
寂然
(
ひつそり
)
として
居
(
ゐ
)
る。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
寂然
(
ひつそり
)
した
日中
(
ひなか
)
の
硫黄
(
ゆわう
)
ヶ
島
(
しま
)
に
陰氣
(
いんき
)
な
音響
(
ひゞき
)
。
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“寂然”の意味
《形容動詞》
ひっそりとして寂しいさま。静かなさま。
(出典:Wiktionary)
“寂然”の解説
寂然(じゃくせん/じゃくねん)は、平安時代後期の僧・貴族・歌人。俗名は藤原 頼業(ふじわら の よりなり)。藤原北家長良流、丹後守・藤原為忠の四男。官位は従五位下・壱岐守。(諸説あり不詳)
(出典:Wikipedia)
寂
常用漢字
中学
部首:⼧
11画
然
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
“寂然”で始まる語句
寂然定