“石甃”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いしだたみ86.7%
いしだゝみ13.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
二つは低い石甃いしだたみだんの上に並んで立っていて春琴女の墓の右脇みぎわきにひともとまつが植えてあり緑の枝が墓石の上へ屋根のようにびているのであるが
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
門内にはそのむかし雷火に打たれたという松の大木がそのままに横たわって、古い石甃いしだたみは秋草に埋められていた。昼でも虫の声がみだれて聞えた。
しん/\と生ひ茂つた杉木立に圍まれて、苔蒸こけむせる石甃いしだゝみの兩側秋草の生ひ亂れた社前數十歩の庭には、ホカ/\と心地よい秋の日影が落ちて居た。
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
血のついた腥くさい石甃いしだゝみの上で、旅興行の手品師が囃子おもしろく、咽喉を真赤に開けては、激しい夕焼の中で、よく大きな雁首の煙管を管いつぱいに呑んで見せたものである。
水郷柳河 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)