“清”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きよ32.9%
すず15.5%
せい10.4%
しん6.7%
すゞ6.5%
6.0%
すが5.6%
すずし4.4%
さや2.8%
きよし2.6%
すま0.9%
すゞし0.7%
スヾ0.7%
きよら0.5%
キヨ0.5%
0.5%
0.2%
いさぎよ0.2%
0.2%
きよき0.2%
きよらか0.2%
けう0.2%
ゆす0.2%
オサマ0.2%
シン0.2%
スガ0.2%
スズ0.2%
セイ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
吉坊よしぼうは、両手りょうてあたまうえにのせて、きよちゃんがあちらへゆけば、そのほう見送みおくり、こちらへくればまたはなさずに、むかえていました。
父親と自転車 (新字新仮名) / 小川未明(著)
黒目勝くろめがちすずしやかに、美しくすなおな眉の、濃きにや過ぐると煙ったのは、五日月いつかづき青柳あおやぎの影やや深き趣あり。浦子というは二十七。
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「じらすなよ、金はおかみが出すご褒美。それでも不足というんなら、そうだ、頭を下げる。せい、この兄貴が、頭をさげて、こう頼む」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
朝鮮に東学党の乱が起って、しん国がまず出兵する、日本でも出兵して、二十七年六月十二日には第五師団の混成旅団が仁川じんせんに上陸する。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
目をあげて見れば、空とても矢張やはり地の上と同じやうに、音も無ければ声も無い。風は死に、鳥は隠れ、すゞしい星の姿ところ/″\。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
しかしそれは、にごるべき所とむべき所が語によって古今の違いがあるので、今我々が濁って読む語でも昔の人は清んで読んでおった。
古代国語の音韻に就いて (新字新仮名) / 橋本進吉(著)
伽羅きゃらのようにからみつくようなところもなく、白檀びゃくだんのように重くもない。すが々しい、そのくせ、どこかほのぼのとした、なんとも微妙な匂いである。
顎十郎捕物帳:16 菊香水 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
ふっくりした別嬪べっぴんの娘——ちくと、そのおばさん、が、おばしアん、と云うか、と聞こえる……すずしい、甘い、情のある、その声がたまらんでしゅ。
貝の穴に河童の居る事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「妹が庭にもさやけかるらし」の意だろうというように解釈する説も出でたが、これは作者の位置を考えなかった錯誤さくごである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
「まあ、不思議ふしぎなおはなしですこと、きよしさんも、うみはいったら、なみをつけなければいけませんよ。」と、おかあさんは、おっしゃいました。
海と少年 (新字新仮名) / 小川未明(著)
床の上へ起き直ッて耳をすまして見ると、家内は寂然しーんとしていて、ねずみの音が聞えるばかり……自分はしばらく身動かしもせず、黙然としていたが,ふと甲夜よいに聞いたことを思い出して
初恋 (新字新仮名) / 矢崎嵯峨の舎(著)
おもきみ……しき九獻くこんさかづきよりして以來このかたはじめてむねとほりたるあますゞしつゆなりしを。——たのかい——いや、われく。
婦人十一題 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
馬糞紙のらつぱは、更に大きくして光彩陸離たる姿と、スヾやかに鋭い声を発する舶来の拡声器を得た訣なのです。
翁の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
片隅かたすみ外套がいとうを脱捨つれば、彼は黒綾くろあやのモオニングのあたらしからぬに、濃納戸地こいなんどじ黒縞くろじま穿袴ズボンゆたかなるを着けて、きよらならぬ護謨ゴムのカラ、カフ、鼠色ねずみいろ紋繻子もんじゆす頸飾えりかざりしたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
キミ」「ユキ」「御酒ミキ」「ツキ」「オキ」「る」「カキ」「サキ」「オキナ」「昨日キノフ」「キヨ」「常盤トキハ」「アキラメ」「サキハヒ」「杜若カキツハタ」「行き」「き」「分き」「吹き」「
国語音韻の変遷 (新字新仮名) / 橋本進吉(著)
かつらの呼び方であるが、かつらとんで言ふのが正しいか、かづらと濁るのが正しいか。
はちまきの話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
おおそうそう、月参講げっさんこうの連中が大勢泊った日でしたなあ。御一緒に青い梅のなった樹の蔭を歩いて、あの時、ソラ碓氷川うすいがわい声がしましたろう。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
かくいさぎよきものの、いかなれば愚昧ぐまい六四貪酷どんこうの人にのみつどふべきやうなし。今夜こよひ此のいきどほりを吐きて年来としごろのこころやりをなし侍る事のうれしさよといふ。
ひかり権者ごんじやれいよく
全都覚醒賦 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
素絃そげん きよきしらべおこ
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
ホンノリ血の色がいて處女しよぢよ生氣せいき微動びどうしてゐるかと思はれる、また其の微動している生氣を柔にひツくるめて生々うい/\しくきよらかな肌の色==花で謂つたら、丁度ちやうど淡紅色の櫻草さくらさうの花に髣髴さもにてゐる
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
耀かがよひわたるけうらさに、こひ退しさりて
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
軽くゆすいで盃をさしながら
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
神武建国の詔には、「辺土未ダオサマラズ、余妖ヨヨウツヨシト雖、中州ノ地マタ風塵フウジンナシ。」
「わしはシンへ渡るつもりで来ましたぢや。」
良寛物語 手毬と鉢の子 (新字旧仮名) / 新美南吉(著)
寝てからも、よく寝つかれさうなスガやかさだつた。
戞々たり 車上の優人 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
伏し目に半ば閉ぢられた目は、此時、姫を認めたやうに、スズしく見ひらいた。軽くつぐんだ唇は、この女性ニヨシヤウに向うて、物を告げてゞも居るやうに、ほぐれて見えた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
当主のセイ吉といふ人は、小学では同級で、青涕あをばなを初中終啜つてゐた、おつとりした子であつたが、此家も、電車道に屋敷を奪はれて、折口の古屋敷は亡くなつた訣なのである。
折口といふ名字 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)